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講義No.10359

笑顔を作れば気分が高揚し、スポーツ能力も高まる

身体化認知をスポーツに活用

 スポーツにおいて、心と体にはどういう関係があるのでしょうか。この課題を考える上でヒントとなるのが、「身体化認知」という考え方です。この理論では、例えば冷たいコーヒーよりも温かいコーヒーを持った後のほうが、対面した相手を温かい人だと判断することが検証されています。つまり人間は、視覚等から得られる情報のほかに、身体から得られる情報で物事を判断するということです。これは、身体の動きを意識的に変えれば、ポジティブな気持ちになり、ひいてはパフォーマンスが向上することを示唆しています。

身体の動きで心と行動を変える

 例えば野球において、バッターが自信ありげなビクトリーポーズを2分間とると、しない場合に比べてピッチャーの球種やコースを予測する精度が上がることがわかっています。また、自分の顔がスクリーンに映る自転車エルゴメーターで運動を行う際に、一定の時間帯で意識的に笑顔を作るようにすると、そうしない場合に比べて、運動後の爽快感が高まります。
 さらに言えば、笑顔は伝染します。表情が豊かになることで、相手の気持ちを読み取りやすくなります。チーム競技ではお互いのコミュニケーションがよくなり、人間関係が深まることが明らかになっています。これらのことは、スポーツに限らず、職場でのプレゼンテーションや日常生活の人間関係などにおいても応用可能です。

スポーツ能力の向上で重要な心と体の知見

 このような心と体の知見は、試合のような重要な場面だけでなく普段のトレーニング場面でも、単調な練習での意欲低下を防ぐことができます。重要なのは、心と体の関係に気づき、体をいかに動かすかを考え、それを繰り返すことで体得して、自然にそれができるような状態にすることです。人間の心理や行動は環境との相互関係で決まります。それを自らコントロールできる能力を身につけることは、パフォーマンス向上のためには欠かせない要素なのです。


この学問が向いているかも 健康スポーツ心理学

福岡大学
スポーツ科学部  教授
山口 幸生 先生

先生の著書
先生がめざすSDGs
メッセージ

 スポーツやそのほかの日常生活で、やる気が出ない時はあると思います。そんな時、気持ちの中だけでポジティブになることは困難です。効果的なのは、行動を変えることです。外に出て軽く体を動かしたり、笑顔を作ったり、背筋を伸ばしたりすると気持ちが変わります。つまり、人間は環境を変えることで意欲を引き出せるのです。あなたもこのことに、薄々気づいているかもしれません。しかし、重要なのはこの原理を理解して、意識的にそのための方法を試行錯誤することです。そうすれば、あなたの目標を容易に達成することも可能なのです。

先生の学問へのきっかけ

 スポーツが好きで、野球やテニスをやっていました。スポーツをやっていると好不調の波があります。どうしたら安定して最大のパフォーマンスを持続できるのだろうと思い、そのためには人間の心を理解する必要があると考えたのが、心理学の分野に進んだ理由です。スポーツ心理学で有名な恩師に出会い、自分も研究者になろうと考えるようになりました。今までスポーツにおけるイメージトレーニング、健康づくりの支援、スポーツでの心と体の問題を研究してきました。一貫して、運動のパフォーマンスをいかに向上させるかを追究しています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

大学研究者/学校教員/スポーツクラブインストラクター/病院運動療法指導者

大学アイコン
山口 幸生 先生がいらっしゃる
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 福岡大学は、9学部31学科、在学生2万人を有する総合大学です。多くの学生や教職員が行き交う広大なキャンパスは福岡市の南西部に位置し、都心部との交通の便もよく、活気に満ちあふれています。「ワンキャンパス」に全学部が集結しており、総合大学の魅力を生かし、学問・研究および課外活動などにおいて学部間の交流が盛んに行われ、文系・理系だけにとどまらない幅広く多様な視野と知識を得ることが可能な大学です。また、創立から80数年で輩出した卒業生総数は25万人を超え、あらゆる分野で力を発揮しています。

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