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講義No.10350

知っているようで知らない、化石発掘調査の方法と醍醐味

化石発掘の方法

 化石の発掘では、博物館に展示されているような全身の化石が丸ごと発見されることは少なく、実際は骨や歯の小さなかけらが見つかることがほとんどです。哺乳類の歯の化石は特に重要です。哺乳類の歯の形は生えている部分や食べる物によって異なるので、歯の化石から多くの情報が得られます。発掘した化石は土や泥汚れを落とし、写真やスケッチで記録した後、型をとって元の形を再現します。そして文献や標本と見比べながら、それがどの動物のどの部分なのかを類推していきます。どの時代の化石なのかは、周囲の地質を調べることで判別します。

世界中が発掘の舞台

 化石は世界中に見られますが、より見つかりやすいのは地表に岩盤がむき出しになっているようなところです。モンゴルにはそういった場所が多く、地面に化石が落ちていることも珍しくありません。モンゴルのほかにもアメリカやアルゼンチンでは恐竜の化石が見つかりやすく、日本でも福井県から岐阜県にかけてのエリアや、兵庫県の丹波篠山(たんばささやま)で発掘されています。
 海外での発掘作業は、現地のスタッフとともに行います。日本とは風習も違えば、作業のスピードも違います。こうした現地の環境に適応し、うまくコミュニケーションをとりながら作業を行うことも、化石発掘をする上で大切な要素です。

DNA分析による進歩

 これまで、哺乳類の進化は発見された化石の形態によって決められていました。しかし、近年では分子生物学が発達し、化石のDNA分析によってより正確な分類ができるようになったことで、新たな事実も明らかになっています。例えばクジラとカバは遠い種類だと考えられていましたが、DNA分析によってとても近い種類であることがわかりました。クジラだけでなく現存する哺乳類はすべてDNA分析ができるので、発掘された化石の形状とDNA分析の結果を組み合わせる研究が主流になってきています。今後も生物の進化を解き明かす大きな発見がなされるかもしれません。


この学問が向いているかも 古生物学、古脊椎動物学

愛媛大学
理学部 理学科 地学コース 教授
鍔本 武久 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 あなたが将来、化石発掘や古生物学を研究したいなら、高校時代は国語、数学、英語といった科目の勉強を頑張ってください。化石について本格的に学ぶのは大学からでも十分間に合います。
 また、この分野はさまざまな人とともに発掘作業を行うこともあり、コミュニケーション能力が求められ、食事の調理からパンク修理にいたるまで実にさまざまな知識や能力も必要です。研究者としてだけではなく、環境に適応し、目的を成し遂げるために必要なたくましい力も養ってもらいたいです。

先生の学問へのきっかけ

 私は古脊椎動物学を専門としており、特に哺乳類の進化についての研究をしています。高校時代は理科全般に興味があり、物理や化学が好きでした。しかし大学で学んだ地学や地質学が性に合ったのか、徐々にそちらの方に興味がシフトしました。4年生の時に地層や地質を専門とする研究室に入ると、地質調査にのめりこみ、大学院に入ってから化石の研究をするようになりました。以来ミャンマーやモンゴル、日本各地を訪れては、発掘作業を行いながら、哺乳類や生物の進化の歴史、多様性を解き明かすための研究を続けています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

地学教員/地方公務員/地質コンサルタント

大学アイコン
鍔本 武久 先生がいらっしゃる
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 愛媛大学は、「学生中心の大学」の実現をめざして、学生の視点に立った改革を進めています。そして、すべての学生が入学から卒業までの過程で、自立した個人として人生を生きていくのに必要な能力を習得することをめざしています。そのため本学では、正課教育のほか、正課外のサークル活動(正課外活動)やボランティア活動、留学、下級生への学習支援(準正課教育)等を通じ、その能力を磨くための多くの機会を設けています。あなたの可能性が広がる学び舎、それが愛媛大学です。

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