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講義No.10329

スマートフォンの中の小さな機械とは?

スマートフォンの中にあるMEMSとは?

 スマートフォンにも使われているCPU(中央演算処理装置)の中には、毛髪の1万分の1という細い線が駆け巡っており、この線を電子が走ることで信号が処理されます。CPUなどを作る半導体製造技術を応用すると、高性能な電子回路パーツだけでなく、小さな動く機械部品も組み込んだ「微小電気機械システム(MEMS)」をまとめて作ることができます。超小型・高性能・低コストという特徴を持つMEMSはスマートフォンだけでなく、自動車のセンサなどあらゆる場面で活用されています。

CPUやMEMSの作り方

 半導体製造技術の中でも一番中心の技術が、フォトリソグラフィと呼ばれる印刷技術を応用した光を使った加工技術です。印刷技術を基礎とするため、平面的ですが、高精細で大面積の加工ができ、大量生産によって、高性能なのに安くすることができます。
 スマートフォンの中の加速度センサは、MEMS応用の代表例です。センサの中の質量に加速度が加わると力が発生します。その力をバネと電気容量の関係を用いて導くことで加速度が計測できます。電気容量の変化を精度良く見るために、人の毛髪の100分の1以下の電極がたくさん並んだ櫛歯(くしば)構造がセンサに組み込まれています。

IoTを支える小型発電機

 現代はIoT(モノのインターネット)化が進み、いろいろなモノがインターネットとつながるようになってきました。しかしIoT社会を実現させるためには、膨大な数のセンサとそれを動かす電力が必要です。そこでMEMSを応用し、環境中の小さな振動エネルギーを電気エネルギーに変換する小型発電機が開発されました。大きさはボタン電池と同じくらいです。この技術は橋やトンネルなどのメンテナンスに応用できます。現在は橋やトンネルをたたいたときに聞こえる音で状態を検査していますが、時間や人手がかかります。車の通過時に発する振動で発電するシステムを組み込んだセンサが設置してあれば、橋やトンネルの状態を常時確認することができるわけです。

参考資料
1:マンガ「電池交換がいらないIoTによる見守り」

この学問が向いているかも 知能機械学

群馬大学
理工学部 機械知能システム理工学科 教授
鈴木 孝明 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 機械分野と聞くと自動車やロボットのイメージが強いかもしれませんが、さまざまな分野と関連があります。現代は医療、電子、食品、化学など、あらゆる現場で機械が必要とされており、活躍の幅も広いです。機械は日本のものづくりの軸になる産業で、他分野への応用もきき、あなたのアイデアを形にできる可能性も高いと思います。
 進路を選ぶときは、ぜひ視野を広く持って多角的に探してみてください。また、物事をとらえるときは表面だけを見て判断するのではなく、本質は何か、という深い部分まで考えてみましょう。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃からものづくりが好きで、あらゆる業界で機械を利用していることに気づき、機械分野を専攻しました。大学では振動評価や物の制御について研究しました。卒業論文で行き詰まり、テーマの方向を変えたことがあります。その後、工夫によって研究が成功した際に楽しさを感じ、そのまま研究者の道を志しました。世の中の人が必要としている道具を作りたいと思い、微小電気機械システム、マイクロマシンの研究に取り組んでいます。IoTやバイオ、医療などさまざまな分野に貢献できるため、機械だけに留まらないおもしろさが魅力です。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

半導体製造装置メーカー技術者/自動車メーカー技術者/電気機器メーカー技術者/化学メーカー機械設計

研究室
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鈴木 孝明 先生がいらっしゃる
群馬大学に関心を持ったら

 群馬大学は北関東を代表する総合大学として、優れた人材を育成し、学問の研究と応用、福祉への貢献など、社会的使命を果たすことを特色としています。「社会のニーズに配慮しつつ細分化から総合化へ」という理念を研究面、及び教育面に具体的に実現させ、「研究活動面における社会との連携及び協力」に高く評価される形となって生かされています。

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