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講義No.10312

「ハードウェア」と「情報処理」の両方を進化させる

特殊フィルターで20~30の色が見える

 SF映画などで、特殊なサングラスをかけると赤外線の軌跡が見えたり、見えない敵を発見できたり、特殊な地形が現れたりと、肉眼では見えない光景が現れるというシーンがあります。このように、物事の違った本質をとらえられるようになると、人の生活は変わります。
 例えば、人の眼は赤青緑の3色しか識別できませんが、より多くの色を見ることができれば、把握できる情報も多彩になるということを意味します。特殊な波長フィルターで数十から数百もの色で世界を見る、この技術を「マルチスペクトルイメージング」と呼びます。

光センサで果物の糖度を識別

 例えば光センサで選果をする装置は、果物に近赤外線を照射し、果物の内部を透過してきた光を検出することで糖度や酸度などの品質を測定できる仕組みです。このほか、ドローンを飛ばして水田を上空から特殊な光を当てて観測すると、人間の目には全面緑にしか見えない田畑の生育状況がわかります。ほかにも、絵画を撮影すると、同じ色でも違った技法や絵の具で塗られている部分が判明したりします。データを分析することで保存や復元に必要な情報が得られるのです。
 これらはいずれも、物に光を当てたとき、特定の波長の光が吸収されるという現象を利用して内部の状態を知る方法で、非破壊検査にも生かされています。

モバイル型で応用範囲を広く

 マルチスペクトルイメージングの精度を上げるには、ハードウェアと情報処理の両方を進化させる必要があります。ハードウェアについては、カラーフィルタに人工宝石(フォトニック結晶)を用いる方法があります。情報処理では、撮った画像から機械学習などで目的の情報を可視化することが求められます。SF映画のサングラスのようなモバイル型にするには、計算量が少なくて済むように処理方法を工夫する必要があります。実現すれば、例えば空を見て気温・湿度・水蒸気量から気象予報ができ、ゲリラ豪雨を回避する、といったことも可能になるでしょう。


この学問が向いているかも 電子・情報工学、光計測工学

富山県立大学
工学部 電気電子工学科 教授
大寺 康夫 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 私はもともと光ファイバー通信の分野の研究をしていましたが、医工学研究の分野に一時期関わったことをきっかけに光・画像センシングの研究の面白さに取りつかれました。ハードの開発と情報処理は車の両輪のようなもので、両方を手がけることで、実用化に即したものを開発することができます。これからもハードウェアのリアルなものづくりと、機械学習のような情報処理技術の両方に関与していきたいと思っています。
 あなたも自分で手を動かしたり、実験に打ち込んだりしてみたいなら、ぜひ一緒に研究しましょう。

先生の学問へのきっかけ

 1990年代、「これからは光の時代だ」と思い、光通信の研究が盛んな東北大学に進学しました。学部・大学院で通信工学の研究に携わった後、一時期医工学の分野に関わり、そこから指導教官の下を離れて独立して研究を行うようになりました。すると機器を使う医師などから即現場で使用できるものが求められ、自分の力で創意工夫して機器を作るようになりました。以来、光を伝える通信から光で測る計測の分野に軸足を移し、オンリーワンの光センサデバイスと、ものを壊さずに中身を見たり、性質を識別したりする技術を開発しています。

大学アイコン
大寺 康夫 先生がいらっしゃる
富山県立大学に関心を持ったら

 本学は、1990年の建学以来、創造力と実践力を兼ね備えた人材育成や高度な研究開発、産業界との連携による地域貢献を果たしながら、最適な教育・研究環境を整えてきました。
 昨年4月には看護学部を開設し、工学部との2学部体制へと進化を遂げるとともに、本年4月には、学科再編により「電気電子工学科」と「情報システム工学科」を新設し、あわせて新たな校舎の整備も進めています。
 工学と看護学を基盤に、柔軟で豊かな人間性を備えた人材の育成に向け「ドンドン マスマス」成長する富山県立大学で、一緒に成長しよう!

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