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講義No.10278

経済学に学ぶ、ものの見方や考え方、そして選択

需要曲線や供給曲線の形状が重要

 商品の価格は、右下がりの需要曲線と右上がりの供給曲線を1つのグラフに表した時の交点で決まる、というのが一般的な考え方です。
 商品によっては、同じ価格の下げ幅でも需要が大きく伸びるものとあまり変わらないものがあります。前者だとお店の収入は大きく伸びます。衣料品をシーズンの変わり目に安くする背景にはそんな戦略が隠れているかもしれません。また、例えばマスクの需要が急激に伸びるとき、供給曲線は短期的にはほぼ垂直になっており、その結果価格が高騰してしまいます。このように、需要曲線や供給曲線の形状が具体的な経済現象に深く関わっていることを、「ミクロ経済学」では学びます。

町の経済を測り地域振興に生かす

 国内の経済活動は、生産・分配・支出の3つの側面から把握でき、これら3つは等しくなるという「三面等価の原則」があります。それに基づいて、付加価値(GDP)がどのように生産・分配され、国内外でどれだけの取引があったのかを明らかにすることもできます。この「マクロ経済学」上の原則を、県や市町村レベルに当てはめて推計する取り組みがあります。地域における1年間の経済活動の規模やお金の動きから、自治体ごとの課題を見つけ出し、地域振興の政策基盤として活用するのです。

答えのない問いに向き合う

 例えば、近年、地方と中央、個人間や世代間の所得格差など、格差が問題視されています。これを改善しようとする時、誰もが納得する答えがあるとは限りません。また、特定の目的には有効な政策が、別の問題を引き起こすこともあります。グローバル化の推進が格差を拡大するのも、そうしたことの一例かも知れません。だからこそ、政策やそれを支える理論について、その評価は分かれます。
 望ましい社会のイメージによって選択肢は変わるのであり、必ずしも一定の答えがあるわけではありません。ミクロとマクロという2つの基礎理論を持つ経済学は、こうした問題に応える道具や視点を提供してくれるのです。


この学問が向いているかも 公共政策学

福井県立大学
経済学部 経済学科 教授
新宮 晋 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 経済学のアプローチは多種多様です。それをきちんと勉強して、論理的に説明できる訓練を行いながら、あふれる情報を選択して分析する知識や、社会情勢を見極めつつ判断する力を身につけましょう。
 社会はどうあることが望ましいのか、明確な答えがあるわけではありません。論理的には正しい経済政策も、現実の社会ではうまく当てはまらないこともよくあります。一方で、それがどういう論理で動いているかを理解することはできます。そこに喜びを感じられるようになると、経済学はとても楽しい学問です。

先生の学問へのきっかけ

 経済学を面白いと思うようになったのは、高校の地学の先生がきっかけです。専門は地学なのに経済学にも造詣が深く、興味のある生徒を集めて、経済学のテキストを読む勉強会を開いてくださいました。そのとき「社会はデタラメに動いているのではなく、理屈があって動いている」ことを知り、もっと深く学びたいと考えるようになりました。さらに大学に入ると「同じ現象について異なる理解がある」と知り、経済学という学問の楽しさに気が付いたのです。経済政策には正しい答えがあると思いがちですが、それを疑うことを学ぶのも経済学です。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

自治体政策統計地域振興

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新宮 晋 先生がいらっしゃる
福井県立大学に関心を持ったら

 本学は、経済学部(経済・経営)、生物資源学部、海洋生物資源学部、看護福祉学部(看護・社会福祉)の4学部6学科からなる公立の総合大学です。
 福井県は、歴史や自然の豊かさ、生産技術、生活文化の質の高さを誇り、非常に優れた「学びと体験のフィールド」です。
 充実した施設・設備と恵まれた自然環境の中、少人数教育を柱に、専門能力の養成はもちろん、教養・語学・情報教育を重視した多彩な教育プログラムを展開しています。
 また、グローバル時代に対応した留学制度の充実など、教育の国際化にも力を入れています。

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