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講義No.10272

学校だけが教育ではない 市民性を身につける教育へ

子どもが社会に参加する教育

 私たちは社会をよくするために、今までないものを生み出し、協力してそれを実行する必要があります。これは大人も子どもも同じです。ところが、今までの教育はそのような社会変化を作り出すことに向いていませんでした。先生が提供した課題を解くだけで、子ども自身が何かを生み出すことがなかったからです。また、子どもたちは自分にそういう能力や権利があることを認識していません。そこで、そういった能力や意識などをいかに持たせるかが教育の課題となっています。

子どものアイデアで社会を変える取り組み

 すでに学校では、社会にある問題を見つけて、解決策を模索する「総合的な探究の時間」が総合学習として設けられています。ただ、それはあくまで学校内の取り組みで、実際に社会変化を起こすわけではありません。しかし、最近では学校外で子どもたちに社会参加してもらう取り組みが行われています。高知市の「こうちこどもファンド」では、街づくりのためのアイデアを子どもたちから募り、審査のうえ実行しています。費用は市が全額負担します。同じような取り組みは、ほかの自治体でも行われています。
 学校内で同じアイデアがあっても、子どもが実行するところまではいきません。実行するためには大人との話し合いが必要で、費用負担も生じるため、今までの教育では社会変革は大人の仕事と考えられてきたのです。

子どもを守る教育から社会性を養う教育へ

 学校と社会の間には垣根があります。これは子どもを社会から守るためですが、それではいつまでたっても子どもは社会に参加する準備ができません。また、よりよい社会を共に創り出すという市民性が身につきません。投資、政治、宗教は教育においてはタブー視され、子どもが関わることを避けてきました。しかし、そういったことにも子どもが積極的に関わり、自分が市民であることを認識することが重要です。このような学校外での取り組みが進めば、それによって学校教育も変化していくと考えられます。


この学問が向いているかも 社会科教育学、教育学

大阪教育大学
教育学部 学校教育教員養成課程 教授
手取 義宏 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 あなたは、自分を育てたのは誰かと問われたら何と答えますか。保護者でしょうか。学校の教員でしょうか。しかし、よく考えるとほかにもいることがわかります。保護者以外の大人、友だちや仲間、クラブ活動やアルバイトの先輩も、あなたにいろいろなことを教えてくれます。
 実は、教育は学校の教員の専売特許ではないのです。学校以外の地域社会の中にも多くの先生がいます。彼らは、私たちに生きるすべを教えてくれます。教育学では、まず誰が先生かを考えることが大切です。教育をもっと広い視野でとらえましょう。

先生の学問へのきっかけ

 そもそも社会科は、子どもたちの市民性を育てるためにあります。市民性とは一言でいうと、「よりよい社会を共に創り出す力」です。ところが、学校教育は子どもたちを社会から切り離して、学校の中だけでしか役立たない力を育ててきたのではないかという反省があります。そんな問題意識から、研究を始めました。学校でも社会でも、子どもも大人も、今自分のいる場所をよりよくする力を養うために、「社会科」という教科はあります。そのためには学校と社会の壁を取り払って考えてみることが必要です。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

主に小中高の学校教員

大学アイコン
手取 義宏 先生がいらっしゃる
大阪教育大学に関心を持ったら

 本学は、我が国の先導的な教員養成大学として、教育の充実と文化の発展に貢献し、とりわけ教育界における有為な人材の育成をとおして、地域と世界の人々の福祉に寄与する大学であることを使命としています。この使命を達成するため、実践的な教職能力を養う優れた教員養成教育を推進し、豊かな教職能力を持って教育現場を担える学校教員を育成するとともに、学術と芸術の多様な専門分野で総合性の高い教育を推進し、高い専門的素養と幅広い教養をもって様々な職業分野を担える人材の育成をめざしています。

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