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講義No.10263

貿易政策を決める要因を経済学で解き明かす

貿易政策を決める要因は?

 政策は政治の場で決定されますが、その決定にはどのような要因が影響を与えているのでしょうか。それをひもとく学問の一つが、政治経済学です。
 政策決定に影響を与える要因は色々ありますが、その一つが選挙区制などの政治制度です。これまで日本は貿易の自由化に取り組んできましたが、その際、賛成派と反対派の間で政治的な論争になることが度々ありました。例えば、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)に日本が参加するのかどうかについて国論を二分するような政治的論争があったのは記憶に新しいところです。この頃のデータを分析すると、小選挙区制における候補者はTPPに反対の立場を取る傾向にあった一方、比例代表制における候補者はTPPに賛成の立場をとりやすかったということがわかりました。

貿易政策決定に影響を与える政治制度

 この研究結果は、比例代表制と比べ、小選挙区制のもとでは選挙区の事情が絡んでくるため国全体の利益を考える政策を政治家は押し出しにくいということを示しています。また、この研究結果から、どのような政治制度がどのような政策を生み出しやすいか、といった傾向をつかむこともできるようになります。さらに多くの研究によって、政治制度の役割についての理解が深まっていけば、どのような政治制度が望ましいのかを考えることも可能になります。

グローバリゼーションと政策決定

 こうした政治経済学の研究は、海外で積極的に進められています。例えば、国内産業を保護するスタンスを取っている米国のトランプ大統領が、2016年の大統領選挙で多くの票を獲得したのは、中国からの工業製品輸入急増が影響を与えた地域だったということを示した、アメリカの経済学者たちの研究があります。このように、多くの国において経済と政治が密接に絡んでいることがわかっています。自国第一主義や反グローバリズムの動きが世界で見られる中、各国の政策決定に何が影響を与えるのかについてさらなる研究が求められているといえるでしょう。


この学問が向いているかも 国際経済学

神戸市外国語大学
外国語学部 国際関係学科 准教授
鎰谷 宏一 先生

メッセージ

 あなたは、生活の中で「なぜ、こんなことが起こるのだろう」「なぜ、こんなやり方なのだろう」と疑問に思ったことはありませんか?  社会に目を向けて、色々な「なぜ」を感じてみてください。そして、ぜひそこで立ち止まって考えてみましょう。そうすれば、大学での学びが見えてきます。
 私の研究室では、それぞれの学生が関心のあるテーマについて経済学を用いて分析しています。例えば、ある学生は美容整形を受ける人の数と景気の関係について分析しました。あなたも、今から社会に関心を持って、自分の「なぜ」を探してください。

先生の学問へのきっかけ

 政治や経済に興味を持ち始めたのは中学・高校生の頃です。湾岸戦争や日米通商摩擦などに関する報道を新聞やテレビで追っていたことを今でも覚えています。大学生の時には、開発途上国と先進国との間にある所得格差に関心を持ち、タイやラオスなどを訪れて見て回りました。「なぜ、このようなことが起こるのか」「その背後に何があるのか」と政治や経済の動きに興味を持ち続け、現在に至っています。それぞれの学問分野には、「なぜ」を分析する方法があります。私は経済学の分析方法を用いて世の中を知るための研究を続けています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

商社企画営業/メーカー(電気・電子・機械・素材系)企画営業/流通業通関業務など

大学アイコン
鎰谷 宏一 先生がいらっしゃる
神戸市外国語大学に関心を持ったら

 神戸市外国語大学は、外国語並びに国際文化に関する理論と実際を教授研究し、高い外国語能力、広い国際知識、深い法・経・商等の基礎的教養を具えた、人格の円満な、国際的人材を育成すると共に、地方における特殊な学術研究の中心として、文化の発展向上への寄与を目的としています。外国語の会話の中で問われるのは、その人の持つ教養、知識、さらには人間性であり、実用の語学とはそうしたものの上に立っています。未知の世界、新たな可能性に向かって歩み出したいという意欲に燃える若い人たちの期待にこたえうる魅力的な大学です。

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