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講義No.10176

高齢者は、健康のためにもっと肉を食べて歩きましょう!

高齢者にはたん白質補給と運動が必要

 高齢になると食事摂取量が少なくなり、必要な栄養を摂取できなくなることがあります。特にたん白質の摂取量の低下は筋肉量の低下と関連します。下肢の筋肉量が低下すると、歩行の速度が遅くなったり、階段を上がるのに時間を要するようになります。歩行能力が低下すると、体を動かすことが億劫になり、悪循環となります。身体機能の低下の入り口は「ロコモティブシンドローム」です。身体機能の低下を予防するためには、運動習慣を持つことと十分な食事を摂取することです。

社会性が低下して外に出なくなる

 定年退職すると仕事に行く必要がないので、屋外で行う趣味がない場合や友人が少ない場合には、家にこもりがちになり、社会性が低下します。これが運動不足の一因です。高齢者の1日に必要な運動量は、歩数に換算すると8000歩です。会社に通勤していればなんとかクリアできる数字ですが、家にこもりがちな高齢者にとって達成は簡単ではありません。また、1日に摂取すべき、たん白質量は60gですが、運動しないと食欲が湧いてきませんし、何らかの疾患にかかっていると、さらに食欲が低下します。

高齢者になると必要な栄養が変化する

 高齢者が栄養不足に陥らないためには、社会性を回復することが重要です。しかし、最近は1人暮らしの高齢者が増えています。社会が、高齢者が家から出る機会を増やすことが必要です。また、壮年期は、食事の食べ過ぎはメタボになるため、食べ過ぎに注意が必要ですが、高齢者は、多少太っているくらいのほうが、長生きすることがわかってきています。高齢になると筋肉合成能力が落ちるため、その素材となるたん白質を積極的に摂取すべきです。年齢別に求められる種々の栄養素の量を正しく理解して、食習慣を改善していくことが重要なのです。


この学問が向いているかも 栄養学、健康科学

県立広島大学
地域創生学部 地域創生学科 健康科学コース 教授
栢下 淳 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 私の専門分野は高齢者の栄養管理です。高齢者は虚弱になりがちなので、栄養と運動の面で身体機能の低下を予防していくことが必要です。高齢になると、食事量やたん白質の摂取量が少なくなることで筋肉が減少します。下肢の筋肉の減少は歩行能力の低下に繋がります。壮年期までの過剰摂取を留意する食生活から、低栄養を留意する食生活にシフトが必要です。本学では、病院、高齢者福祉施設、保健所・保健センター、食品会社、栄養教諭などで活躍できるような管理栄養士を養成しています。あなたも興味が湧いたら、一緒に学びましょう。

先生の学問へのきっかけ

 大学院修了後製薬企業の研究部門で機能性食品の素材探索を行っていました。その後、商品開発に異動し、多くの病院を訪問する機会を得ました。そこで気づいたのは高齢者は嚥下(えんげ)機能が低下している方が多く、そのため病院では食事の形態調整に苦労していることでした。そこで、嚥下機能が低下した高齢者に食べやすい「魚のプリン」を開発し販売したところ大きな反響がありました。さらに研究したいという思いがあり、大学に移りました。製薬企業在籍の際にいくつかの論文を書いていたことが、大学に移るときに幸いしました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

病院管理栄養士/保健所・保健センター管理栄養士/高齢者福祉施設管理栄養士/栄養教諭/食品会社研究員/食品会社営業

大学アイコン
栢下 淳 先生がいらっしゃる
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 県立広島大学は、教育、研究、地域貢献、国際交流のいずれにおいても公立大学として一級の大学になっています。「主体的に考え、行動し、地域社会で活躍できる実践力のある人材の育成」を目標に、教養教育では、大学4年間の学士課程教育を通じて実施する「全学共通教育科目」を設定するとともに、専門教育においては、教養教育との連携を図りながら、「専門科目」を系統的に設定することにより、バランスのとれた教育内容を提供していきます。

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