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講義No.10163

建築物の設計は二次元から三次元へ~「BIM」って何だ?~

建築物の設計は平面から立体へ

 「住みたい家をイメージして」と言われると、建物を立体的に思い浮かべるでしょう。しかし、これまでの建築物の設計図は手書きやCAD(キャド)というツールを使った平面図が主流でした。三次元のイメージを二次元で表現した設計図を見ても、一般の人が正確に内容を理解するのは難しく、それが間違いのもとになります。
 そこで近年の建築業界で注目を集めているのがBIM(Building Information Modeling:ビム)という設計ツールです。BIMでコンピュータの中に建物の立体モデルをつくり、設計はもちろん施工管理もずっと三次元のまま、完成イメージを共有しながら進行します。

立体的な構造で「見える化」する

 データをiPadに取り込めば、コンピュータにつくった立体モデルの中を自由に歩き回ることもできます。建物内の風の流れや光の入り方、熱量などのシミュレーションもでき、ドアハンドルのデザインやコンセントの位置など、平面図では把握できない細かな所も確認できます。BIMだからできる建築データの「見える化」は、発注者との正確かつ迅速な合意を可能にします。
 従来の二次元の図面もボタンひとつで切り出せます。また修正を行えば連動するすべてのデータが自動修正されるので、図面の内容と実物が異なるといった現場でのミスを防ぐことができ、廃棄物も減らせます。

これからはBIMが主流に

 日本におけるBIMの導入は海外に比べ遅れています。建築の設計は手で考え、手で学ぶことをよしとする傾向が根強く残っているからです。しかし企画から設計、施工、さらに維持管理まで一括でできること、事業者間のコミュニケーションを円滑にし、設計に関するリスクも回避できることから、BIMが今後の主流になるでしょう。また建物の維持管理に関する情報も履歴として残ります。建物を解体するまで1つのファイルの中で管理できることは、建物の管理主体となる事業者にとっても大きなメリットなのです。


この学問が向いているかも 建築学

広島大学
工学研究科 建築学専攻 准教授
中薗 哲也 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 私は、建築の設計論やデザイン論の研究を行っています。また実践的な設計活動も同時に行っており、約50年前の古民家を日本酒の熟成蔵にコンバージョン(転換)するプロジェクトや、新たな構造形式や素材を用いた海辺のセカンドハウスのプロジェクトに取り組んでいます。「建築の新たな価値や空間を発見する」がコンセプトで、廃棄物やごみを使うこともその一つの取り組みです。
 人に感動を与えられる、少しでも新しい建築を、あなたと一緒に発見しつくり上げていくことを楽しみにしています。

先生の学問へのきっかけ

 祖父は大工の棟梁、父は桐ダンスなどをつくる指物(さしもの)職人で、竹細工で鳥籠などもつくっていました。そんな父の、素材の竹を採りに行くことから始まる作業風景を見て育ちました。大学は親が薦める薬学部に進むつもりでいましたが、将来を本気で考えたのは高校3年のときでした。試験管とずっとにらめっこしながら薬をつくり続ける将来の姿に、具体的なイメージを持てなかったためです。ではどうする、と真剣に考え、出した答えが建築でした。素材をつくることから始まる建築は、素材から探していた父の作業とも重なります。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

ゼネコン建築設計/建築設計事務所建築設計

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中薗 哲也 先生がいらっしゃる
広島大学に関心を持ったら

 広島大学は社会に貢献できる優れた人材を育成し、科学の進歩・発展に貢献しつつ、世界の教育・研究拠点を目指す大学です。緑豊かな252ヘクタールという広大な東広島キャンパスを抱え、また、国際平和文化都市である広島市内等のキャンパスを含め、12学部、11研究科、1研究所、大学病院並びに11もの附属学校園を有しています。 新しい知を創造しつつ、豊かな人間性を培い、絶えざる自己変革に努め、国際平和のために、地域社会、国際社会と連携して、社会に貢献できる人材の育成のために発展を続けます。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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