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講義No.10126

「計量経済学」って何だろう?

計量経済学の役割

 経済や社会の問題について考えを述べる場合、数量的な裏付けがなければ、納得は得られません。例えば、少子化が進んでいるという場合、年齢別の人口や出生率の変化を根拠として示す必要があります。基となるデータが政府や企業が公表する集約されたデータでも、必ずしも完全な形をしているわけではありません。欠けているデータもあれば、加工しなければ裏付けとして使えないデータもあります。そんなときに活躍するのが「計量経済学」です。

計量経済学の方法

 計量経済学とは、経済や社会の実態を統計学の方法で明らかにする学問で、その分析ではコンピュータとプログラミングを使うことが多いです。データを分析に使うとき工夫や技術が必要になることがあります。例えば、地方で高齢者と若者の所得格差を明らかにしようとしても、そのようなデータがない場合があります。その場合は既存の少ないサンプルから必要なデータを推測しなければなりません。そこで使用されるのが、確率や統計学の理論です。また、少子化の理由を明らかにする場合、少子化と都市化という一見関係ないようなものの関係性を明らかにします。そこで使用されるのが、経済学や統計学の理論とそれに基づいて作成した分析用のプログラムです。
 このようなプログラムは研究者自身が一から作成する場合もあります。複雑な計算を短時間で行うためには、コンピュータの処理を効率化することも求められますから、ハードウエアの知識や簡潔なプログラムを書く技量が必要です。

計量経済学の有用性

 最近では、ビッグデータが注目されています。しかし、目的のために最適化されたデータを得ることは容易ではありません。また、人工知能に関わる分析技術の機械学習で得られる結果は、意外な発見はあるかもしれませんが、経済や社会の分析に適しているかといえば、必ずしもそうではありません。
 経済をモデル化し実証する計量経済学は、データの利用に制約があるなかでも、私たちが経済や社会の実態を知り、これからの施策を考える上で有用なものなのです。


この学問が向いているかも 計量経済学

山口大学
経済学部 観光政策学科 准教授
福井 昭吾 先生

メッセージ

 私は、所得格差や少子化という経済や社会の問題について、確率や統計学の方法を使って分析をしています。政府や企業が公表している、ある程度集約されたデータから有用な情報を引き出すのです。そのため、確率や統計学の手法を考えたり、あるいは分析を効率的に行うためにプログラミングをどう活用するかということを考えたりしています。
 経済の分野では、こういう理系の知識や技術を駆使することも多いので、あなたが確率や統計学、データ分析に興味があるなら、経済学部も選択肢の一つだと思います。

先生の学問へのきっかけ

 高校の時プログラミングを趣味でやっており、大学は工学部に行こうと考えていましたが、当時は「プログラマー35歳定年説」がもっともらしく語られていたので、将来を考え経済学の分野に進みました。経済学は文系の学問なので、数学など理系の知識は必要ないと考えている人がいるかもしれません。もちろんそういう経済学もありますが、計量経済学では、確率や統計学などの数学の知識やプログラミングの技術が必要です。現在は、所得格差や少子化などの社会的問題を地方の視点から考え、分析・実証しています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

IT企業システムエンジニア

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福井 昭吾 先生がいらっしゃる
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