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講義No.10116

質の高い医学研究は多くの患者さんを救う

臨床研究および医学基礎研究で医学進歩に貢献

 医学研究には大きく分けて、臨床研究と基礎研究があります。臨床研究は、患者さんの検査所見や治療効果などを集積し、病気の予防、診断に関わる医療手段の有効性を確認したり、よりよい治療法の検証や開発を行うものです。一方、基礎研究は、マウスや培養細胞などを用いて生体の持つ機能を解析し、病気の根本となる因子や治療ターゲットとなる分子を捜したりします。両者はいずれも医学の進歩に不可欠であり、患者さんの治療に直結するような臨床および基礎研究が立案、遂行されることが重要です。

臨床研究成果による科学的根拠の蓄積

 臨床研究は医療を支える土台となる、様々な科学的根拠(エビデンス)を得ることを目的として行われる研究です。医療の現場においては、この患者さんに対してはこれが最善と考える医療を行うわけですが、このような判断は過去の臨床研究を通じて得られた成果やそれらを集約して作られた<診療ガイドライン>に支えられています。また、病気の予防法の確立や新規治療法の開発、検証にも臨床研究は重要な役割を果たします。臨床研究によるエビデンスの蓄積は患者さんの利益となり、臨床医学の進歩にも貢献します。

よい医学基礎研究成果は多くの患者さんを救う

 内分泌代謝分野での基礎研究の例を紹介します。そこでは、ホルモン作用異常により惹起される、肥満症、糖尿病、骨粗鬆症、動脈硬化といった疾患の病態解析や新規治療法の開発につながる研究が行われています。例えば脂肪細胞および骨細胞は、もともと同じ細胞を起源として分化・形成されますが、この細胞の分化方向を決定づける因子が見いだされています。生体においてその因子の作用を調節することができれば、糖尿病や動脈硬化の原因となる肥満を是正しつつ、骨粗鬆症も改善することが可能となり、加齢医学分野に大きく貢献できるものと期待されます。基礎研究では一つの新発見により、多くの患者さんを救うことができる可能性があるのです。


この学問が向いているかも 内分泌代謝学、加齢医学

徳島大学
医学部 保健学科 検査技術科学専攻 教授
遠藤 逸朗 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 「患者さんの命を預かる医療者になる」という気持ちをもって勉学に取り組んでください。幅広い知識を得ることは、医療に携わる者の責務です。さらに、日々更新される最新の医学情報を理解し、それを生かす姿勢は医療者になってからも重要です。同時に医療の現場では、患者さんや他職種の医療者と信頼関係が築けるようなコミュニケーション能力も求められます。知識を増やすとともに人間性も磨き、一流の医療者として成長してほしいと思います。

先生の学問へのきっかけ

 子どものころに体が弱かったことがあり、医師をめざしました。腕のよい内科医をめざして大学病院で研鑽を積んできましたが、研究や教育の仕事も任されるようになり、臨床以外にも医学に貢献できる方法があると知りました。臨床医として患者さんを診るのは当然として、基礎および臨床研究を行い医学の進歩に貢献すること、医療者としての後進を育てる教育も重要な仕事です。大学に務める医師はこれら3つの仕事をバランスよくこなし、かつきちんと結果を出す必要があります。忙しいですが、やりがいのある職種です。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

臨床検査技師/医学研究者/治験コーディネーター

大学アイコン
遠藤 逸朗 先生がいらっしゃる
徳島大学に関心を持ったら

 徳島大学は有為な人材の育成と学術研究を推進することにより、人類の福祉と文化の向上に資するため、自主・自律の精神に基づき、真理の探究と知の創造に努め、卓越した学術及び文化を継承し、世界に開かれた大学として豊かで健全な未来社会の実現に貢献することを理念としています。豊かな緑、澄み切った水、爽やかな風、温暖な気候に恵まれた徳島の地にあって、「知を創り、地域に生き、世界に羽ばたく徳島大学」として、発展を目指しています。

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