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講義No.10112

「ビッグデータ時代」に求められる統計学とは?

早い意思決定のために

 ビッグデータ時代の今、非常に多くのデータがオンラインで入手できるようになりました。社会や経済市場は、個人・企業・財・設備・知識・技術といったさまざまなヒト・モノ・サービスなどの構成要素からなり、これらの情報がインターネットを通じてオンラインで世界中を飛び交っています。個人・企業・官公庁といった行動主体において、いま求められているのは、それらのオンラインデータを高い精度で分析して、できる限り早い意思決定を行う統計的手法をもちいることです。

オンラインデータに対する統計学が求められるわけ

 オンラインデータに対する統計学の利用として、テレビ局各社が発表する「選挙速報」があります。得票率の高い候補者の場合には、選挙速報の早い段階で当選することが判定できます。しかし、支持率が拮抗(きっこう)した2人の人気候補者がいた場合、なかなか当落の判断ができません。得票率の高い候補者の場合は少ないサンプルサイズでも十分な精度が得られますが、一方得票率の拮抗した候補が2人いると、より多くのサンプルサイズがないと当落に関して精度の高い分析ができないのです。メディアが「当選確実」を発表したにもかかわらず、結果落選してしまう候補者がでてしまうのはこうした理由があります。早い時点で結果が推測できる場合と、正確な推測をするのに時間がかかってしまう場合があります。

「機会損失」をなくすための「停止時刻」

 例えば、商品の売れ行きは地域ごとに違いますが、企業は市場に合わせて生産設備や流通システムをつくります。そこで売れ残りがあれば損をし、逆に売れるチャンスがあるのに在庫がなければ売り逃してしまいます。これらを「機会損失」といいます。市場における需要を予測し、「機会損失」をできるかぎり発生させないためには迅速な意思決定を行うことが重要となります。この意思決定を行う時点を「停止時刻」といいます。「停止時刻」をもちいる統計学がビッグデータ時代に求められます。


この学問が向いているかも 統計学

横浜国立大学
経済学部 経済学科 教授
永井 圭二 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 横浜国立大学の経済学部では、経済市場に関する数理統計学をはじめ、データを用いて新たな知見を引き出すデータサイエンスの手法を学ぶことができます。今後、データサイエンスはどの分野の学問にも必要になります。
 データサイエンスの考え方が備わっていれば、将来どんな仕事に就いてもさまざまな応用ができるでしょう。そのためにも、高校時代には微積分、ベクトルなど「数学」とプログラミングの基礎をきちんと学んでおきましょう。

先生の学問へのきっかけ

 大学に入ってから、実際の現象を理解するためには統計学が必要と考えるようになりました。データに対しサンプルサイズを大きくすると、「大数の法則」によれば標本平均は数学的期待値に近づき、「中心極限定理」によれば標本平均の確率分布は正規分布に近づくということが知られています。これら統計学の基礎を深く理解したいと勉強を続けました。卒業後証券会社に就職しましたが、同じ年にNY株式市場での大暴落が起きました。もっと確率・統計を学ぶ必要を感じ、会社を辞め大学院に入学、数理統計学者の道を選んだのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

IT情報/ITメーカー/医療機器製作メーカー/マーケティング/金融信用調査部門

大学アイコン
永井 圭二 先生がいらっしゃる
横浜国立大学に関心を持ったら

 横浜国立大学は、高い国際性と実践的な学問を尊重し、社会に開かれた大学をめざします。全学部の学生がひとつのキャンパスで学び、学部の垣根を越えた交流ができ、国立大学には数少ない経営学部も置かれています。新しい潮流を起こして21世紀の人類社会に貢献できるよう、社会からの要請を的確に把握し、国民から委ねられた資源を有効に活用しつつその活動を開放し、社会の期待に応えます。

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