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講義No.10073

情報通信サービスにおける「満足」って何だ?

「感覚」を品質向上に生かす

 現代のスマホ用通信ネットワークは、ひと昔前とは比較にならないほど大容量のデータを送受信できるようになりました。それでも、多くのユーザーが同時に利用すると、サイトにつながりにくい、動画がスムーズに再生されない、操作に対する反応が遅いなどの不満につながってしまいます。
 アプリや情報通信サービスを提供する側も品質向上に力を入れていますが、どの部分をどう改善すべきか、明確な指標がなければ適切な改善は行えません。漠然とした人間の感覚を数値で表すなど、目に見えるかたちで評価しなければ、品質向上は難しいのです。

画質が悪くても満足できる?

 動画サイトのデータは、圧縮度が低いほど高品質な映像と音声が楽しめます。ただ、その分、多くのデータ通信量が必要となるため、再生待ちの時間が長くなったり再生中に停止しやすくなったりします。高品質ながらも途中で何度もストップする動画より、やや低画質でもスムーズに視聴できる方が、ユーザーはむしろ満足感を得られます。
 このように、情報通信サービスの利用時、ユーザーが体感する品質のことを「QoE(Quality of Experience)」と呼び、どのような状態の時にQoEがどう変化するのか、人間の感覚を科学的に計測する研究が、情報通信工学の分野でも進められています。

未来社会の中で大きな役割を果たす情報通信工学

 「ソサエティ5.0」という言葉があります。インターネットを介してさまざまなモノがつながるIoT技術と、AI(人工知能)、ロボットなどを結びつけることで、少子高齢化や環境保全、地方経済の活性化などさまざまな社会的課題を解決しようという、我が国が提唱する近未来のコンセプトです。
 情報通信工学は、「ソサエティ5.0」を実現するために必須となるコンピュータやネットワークに関する技術を学ぶだけでなく、システムやサービスを利用するユーザーの豊かな生活につなげるための「満足」についても取り扱うため、心理学や社会学なども応用する、幅広い学問領域なのです。


この学問が向いているかも 情報通信工学、情報コミュニケーション学

広島工業大学
情報学部 情報工学科 教授
林 孝典 先生

メッセージ

 広島工業大学は2020年春に「情報コミュニケーション学科」を開設し、情報通信技術を活用してさまざまな社会的課題を解決できる人材を育てていきます。近年、さまざまなメディアで「IoT」、「AI」、「ビッグデータ」など情報通信に関わる言葉が取り上げられており、この分野に興味を持っている人も多いでしょう。
 情報通信技術を利用する「人間」を中心に置いて研究し、どのような未来社会を築き上げていくべきかの「ビジョン」を持つことで、大学での学びがより充実し、新しいことを知るたびにワクワクできるようになるはずです。

先生の学問へのきっかけ

 私は本学教員となるまで、民間の研究所に30年近く勤務し、携帯電話の通信ネットワーク構築に関する研究を行いました。大学生の頃から研究志向が強く、結果が判っている事柄に対しても「なぜそんなふうになるんだ?」と追求するタイプだったため、研究職を募集している企業に就職したのです。就職したての頃は、現在のようなインターネット社会は想像できませんでしたが、情報通信技術を活用し、人と人とのコミュニケーションをどのようにサポートするかという観点は、現在の研究でも共通のものだと感じています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

情報サービス会社システムエンジニア/通信会社ネットワークエンジニア

大学アイコン
林 孝典 先生がいらっしゃる
広島工業大学に関心を持ったら

 広島工業大学は、工学部、情報学部、環境学部、生命学部の4学部・12学科および大学院工学系研究科の1研究科・7専攻で構成される理系総合大学です。「社会・環境・倫理」というキーワードのもと、人を幸せにする技術者の育成をめざしています。
 一人ひとりをしっかり育てる教育で、全国トップレベルの就職実績を実現。また、経済面を支援する「HITスカラシップ制度」や女子学生を全面的にバックアップするJCD(女子キャリアデザイン)センターを設置するなど、皆さんの学生生活をしっかり応援します。

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