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講義No.10069

触ることで新たな体験を生み出す「インタラクティブアート」

鑑賞者が参加して完成する芸術

 単に鑑賞するだけの作品ではなく、人の動作や動きなどに反応して変化する芸術作品を「インタラクティブアート」と呼びます。インタラクティブとは相互作用という意味で、人が動くことで映像が変わる、触れることで光を発するなど、鑑賞者の参加によって完成する作品といえるでしょう。最近では芸術表現としてだけでなく、社会の中でコミュニケーションツールや広告にも使われるようになっており、スポーツ競技会の開会式やコンサートなどの舞台演出、文化施設の案内などにも使用されています。

絵本でインタラクティブな経験

 本を読むという行為には、紙の触覚やページをめくる音など、独特の体験があります。そこにデジタルな仕掛けを加えたインタラクティブアートも生み出されています。カメラとプロジェクターを仕込んだデスクライトの下で絵本を読むと、センサが読者の動きを感知して、そのシーンに合った動画を絵本に投影する仕掛けです。ページをめくるだけでなく、こする、回す、手で絵を補足するなど、ストーリーに対応した動作をすることで、投影される映像が変化し、行為がストーリーに関与していくインタラクティブな体験をすることができます。

触れると温度を感じるディスプレイ

 触覚をテーマにしたインタラクティブアートに、「サーモエステシア」という作品があります。これは、触れると冷温感覚などの温度を感じることができる冷温感ディスプレイで、炎の映像や雪の結晶が映し出されると、その映像に対応してディスプレイの温度が変わるというものです。これは視覚障がいのある人も楽しめるアートです。また、幼児に知的な刺激を与えるツールとしての使用も考えられます。
 現在のインターネットは視覚と聴覚だけの情報ですが、触覚を刺激するツールができれば、インターネットの情報がさらにリアリティのあるものになるでしょう。人間のプリミティブ(根源的)な感覚である触覚は、今後注目される分野です。


この学問が向いているかも 芸術工学・デザイン情報学

東京都立大学(旧・首都大学東京)
システムデザイン学部 インダストリアルアート学科 教授
串山 久美子 先生

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メッセージ

 大学は自分の興味があることを自分で選んで学び、自ら実践する場所です。それに対して高校では、受験のための勉強で受け身になっているかもしれません。でも、自分が興味をもったことを掘り下げたり広げたりしてみてください。
 理系でも文系でも、美術や音楽を専攻したい人も、興味がある分野だけではなく、別の分野も学ぶことで、四方に広がった根を張ることができます。それが支えとなって成長し、いつか大きな花を咲かせることができるのです。どうか、あなた自身の感性を大事に育ててください。

先生の学問へのきっかけ

 高校生の頃から、理系でありながら美術に興味があったため、大学ではそれらが融合する建築を専攻しました。学ぶ中で、実際には存在しない空間に興味を持ち、バーチャルリアリティやインタラクティブアートの研究に進みました。最初に学んだ建築と、デザインやアート、機械や情報の工学的な手法をミックスして、研究は果てしなく広がっています。インタラクティブアートを扱うメディア情報学は、人に訴えかけるアートやデザインにインタラクティブな情報工学技術と認知工学や感性工学を加えたユニークな学問です。

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串山 久美子 先生がいらっしゃる
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 東京都立大学は「大都市における人間社会の理想像の追求」を使命とし、東京都が設置している公立の総合大学です。人文社会学部、法学部、経済経営学部、理学部、都市環境学部、システムデザイン学部、健康福祉学部の7学部23学科で広範な学問領域を網羅。学部、領域を越え自由に学ぶカリキュラムやインターンシップなどの特色あるプログラムや、各分野の高度な専門教育が、充実した環境の中で受けられます。

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