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講義No.10059

世界に広がる「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」の概念

新生児死亡率は低いけれど

 助産学は命が誕生する際のサポートをし、そしてその後の幸せを見据えた健康支援を、母子、そして家族を対象に考える分野です。例えば新生児死亡率の低い日本ですが、残念ながら生まれてくる命のすべてが必ずしも健康に幸せに育つ環境ではなくなってきています。そこには、昨今社会問題となっている幼児虐待、あるいはドメスティック・バイオレンス(DV)、さらには社会的貧困や性犯罪など、さまざまな要因があります。看護学の視点からそういった部分に目を向けて種々の問題に対して支援をめざす考え方のひとつに、「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」があります。

性と生殖に関する健康と権利とは

 リプロダクティブ・ヘルス/ライツは、日本語では「性と生殖に関する健康と権利」と訳されます。日本では1960年代からそういった概念が少しずつ定着しはじめましたが、1994年の国連で国際的承認を得たことがひとつのブレイクスルー(現状打破のきっかけ)となり、世界的に定義され、確立へ向けての大きなうねりとなりました。
 この考え方は基本的に女性が身体的、社会的、精神的に健康を維持しながら、出産の選択、つまり産むか産まないか、あるいはいつ、何人、どんな間隔で産むか、などを自ら選択し決断する権利のことを指します。

進むリプロダクティブ・ヘルス/ライツの確立

 また、一方ではどんな女性でも子どもを産み、育てていく可能性があるということもこの概念のひとつです。性に関する知識が不十分で性感染症にかかったり、そこからの不妊、望まぬ出産、またHIV(エイズを引き起こすウイルス)感染も世界的に大きな問題として考えられています。
 単に女性であるということによって虐げられる、社会的な立場が弱くなる、などといった多くの問題について、看護学的視点でとらえながら、リプロダクティブ・ヘルス/ライツの確立に向けた研究、活動は続いています。

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この学問が向いているかも 看護学、助産学

岩手県立大学
看護学部 看護学科 教授
福島 裕子 先生

メッセージ

 看護学は人間の健康な部分に働きかける専門性を持っています。人間はけがや病気を周りの健康な組織が回復させていく自然治癒力を持っていますが、例えば患部周辺が清潔でなかったり、栄養状態が保てなかったりするとその力を十分に発揮できません。それを十分に発揮させることができるような状態にすることが看護の役割でもあります。
 また、看護学の対象は赤ちゃんから高齢者までいろいろなライフステージの人たちです。看護学を志すあなたには、多様な人々と接して自分も豊かな人間になりながら学びを深めてもらいたいと思います。

先生の学問へのきっかけ

 消化や内臓の働きといった、人の体に関することに非常に興味があり、小さいころから図鑑などの解剖のページを面白いと思って読んでいました。そういうことを学ぶ道、またどういう仕事があるかなと考えている中で、大学に看護学部ができ始めた時代だったこともあり、専門学校ではなく大学で看護を学んでみたいと考え、志す決意をしました。また、看護師という専門職に就くことで女性が自立できるのではという気持ちもありました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

助産師/看護系大学教員

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福島 裕子 先生がいらっしゃる
岩手県立大学に関心を持ったら

 大学は「知識」を得る場であるだけではなく、「人生の目的」を考える場であり、これからの人生で自分は何をなすべきかを探求する場でもあります。人はそれぞれ固有の素質と能力を持っています。それをいかに見出し、育成していくかが教育の最大課題であると考えています。この大学での貴重な学習期間に、自己の能力と個性を伸ばし、適性を見出すことに努めてください。本学の教職員は、全力を挙げてこれに協力します。

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