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講義No.10047

「骨粗しょう症」はどうやって治療する? 新しい治療薬の研究

新陳代謝によって常に生まれ変わる「骨」

 「骨」について、どんなイメージを持っていますか? カルシウムの塊といった静的なイメージを持っている人が多いと思いますが、実は骨もほかの臓器と同様に、常に新陳代謝を繰り返しています。「骨芽細胞」が新しい骨を作り続ける一方で、「破骨細胞」が骨の古くなった部分を分解・吸収し、骨の量や質を一定に保っているのです。
 ところが、ホルモンバランスの急激な変化などによってその一定が保たれなくなり、骨の密度が大幅に低下すると、ちょっとした転倒でも骨折しやすくなる「骨粗しょう症」を発症します。

骨芽細胞と破骨細胞の働きは関連している

 骨粗しょう症の治療薬として、骨を作る働きを活性化させるタイプのものと、分解・吸収する働きを抑えるタイプのものが使われています。ただ、骨芽細胞が骨を作る際に産生(さんせい)する因子は破骨細胞の動きも活性化させ、破骨細胞が働かなくなると骨芽細胞も働かなくなるという関連性を持っているため、片方の働きだけ制御しても、骨の状態は改善しないのです。破骨細胞の働きだけを抑える薬も開発されましたが、古い骨を分解・吸収しないということは老朽化した骨を使い続けることになるので、「骨折しやすさ」は治りにくいままです。

骨芽細胞内のたんぱく質を上手に制御する研究

 現在、骨の形成と分解・吸収とのバランスを維持しながら、骨を健康な状態に近づける薬の研究が進められています。その中で注目されているのが、たんぱく質の一種である「Rac1」を制御する方法です。Rac1は、細胞の形成と深い関わりを持つ因子ですが、骨の形成と分解・吸収にも関与していることが明らかになったためです。
 ただ、細胞内では多くのたんぱく質が複雑に連携し合っているので、Rac1だけを制御しても思い通りの効果は出ないかもしれません。しかし、高齢者の増加にともない、今後ますます患者数が増加すると見られる骨粗しょう症治療薬の開発は、まさに待ったなしの状況なのです。

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この学問が向いているかも 骨代謝学、薬学、医学

広島国際大学
薬学部 薬学科 准教授
福山 亮 先生

メッセージ

 あなたはチャレンジ精神旺盛なタイプですか? それとも一歩引いてしまうタイプですか? もしもあなたが薬学部への進学を検討しているのなら、思い立ったことに積極的にチャレンジする気持ちを大切にしてください。
 日々進歩を続ける医学・薬学研究の原動力は、研究者や医療者たちのチャレンジし続ける姿勢です。特に薬学は、自らターゲットを見つけて正解を探し回る学問ですから、目の前のチャンスを貪欲(どんよく)につかまえなければ、どんどん視野が狭くなってしまいます。「チャレンジ精神」を持ち続けることが肝心なのです。

先生の学問へのきっかけ

 私は小学生の頃、ミクロサイズの探険隊が人体の内部を調べるという内容のコミックを読みふけるほど、生物の体の仕組みに関心を持っていました。また、父がメッキ工場に勤務しており、電気分解した金属イオンでメッキをかぶせる様子などを見学させてくれたことで、化学にも興味が湧いてきます。そこで大学では、生物にも化学にも関わる薬学を学ぶことにしました。
 大学を卒業して大学院に進学後、関西エリアの大学院の共同研究に携わったのがきっかけとなり、現在の専門分野である「骨粗しょう症」治療薬の研究がスタートしました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

病院・調剤薬剤師/製薬メーカー(開発・研究・医薬情報担当者)/公務員(水道局・保健所・麻薬取締官)

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福山 亮 先生がいらっしゃる
広島国際大学に関心を持ったら

 10月19日(土)にマリンメッセ福岡で開催される大学研究&学問発見のための国公私立大 合同進学ガイダンス「夢ナビライブ2019福岡会場」で、福山亮先生が【骨粗しょう症治療薬開発の面白さと難しさ】というタイトルの講義ライブを15:10から実施! 全部で145名の大学教授が講義ライブを実施するほか、本学を含む124大学が個別ガイダンスを実施します。詳しくは
 https://yumenavi.info/live/fukuoka/をご覧ください。

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