夢ナビ夢ナビは、さまざまな言葉をデータベースから検索・閲覧し、将来の進路を決める“きっかけ”を提供します。

講義No.10033

人は何を快適だと判断するのか、目に見えない世界観を読み解く

正常に動いて当たり前

 スマートフォンなどでゲームをしていると、サーバが止まって遊べなくなることがあるでしょう。原因は、アプリの作り方に問題がある、データセンターとうまく連携が取れていない、などが考えられます。ゲームに限らず、今や私たちの生活はたくさんの「プログラム」が正常に動くことによって成り立っています。飛行機や電車などの大規模交通システムも同じです。

飛行機は「多数決」で飛んでいる?

 もし飛行機が操縦した通りに動かなかったら、大変なことになります。現在の飛行機の操縦システムは「フライ・バイ・ワイヤ」といって、すべて電子制御です。その制御プログラムにバグ(不具合)があってはなりません。そこで、異なる開発者が作った4つのプログラムを同時に動かすなどします。普段は動作が一致しますが、もしかしたら1つだけバグによって異常な値を出すかもしれません。しかし4つ同時に動いていれば残り3つは正常である確率が高いですから、操縦に対する動作を多数決で決めれば安全性は確保されます。こうした考え方は「冗長化」と呼ばれます。

信頼性を高める方法

 こうした対策のほか、ソフトウェアにバグを作らない、あるいはバグがあればどこから発生しているかを検出するテスト技術が求められています。単体のプログラムでロジック(論理)の破綻がないかを検証することは比較的簡単ですが、組み合わせによって動きが変わる場合があります。わかりやすく言うと、WindowsなどのOS(オペレーティングシステム)が3つ、ユーザーが使用するウェブブラウザが3つ、プログラムを実行するデータベース管理システムが3つあれば、テストすべき組み合わせは27通りになります。実は組み合わせを工夫すれば、9種類で漏れなくテスト設計が可能となりますが、インフラを支えるようなシステムなら組み合わせは桁違いに複雑になるでしょう。プログラムは将来さらに高度化・複雑化します。動作を保つテスト技術もさらに発展させていく必要があるのです。

アイコン

講義を視聴する(1分)

アイコン

講義を視聴する(1分 その2)

アイコン

講義を視聴する(1分 その3)

アイコン

講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 情報科学、情報工学

大阪大学
基礎工学部 情報科学科 教授
土屋 達弘 先生

メッセージ

 日常的に使っているパソコンやスマートフォンのアプリの正体は、コンピュータプログラムです。もし実際にアプリを作った経験があるなら、バグ(不具合)がないよう正しく作るのは非常に難しいことを知っていると思います。
 私たちの研究グループでは、バグを発見するなど「信頼のおけるプログラムを作るため」のプログラムを研究しています。こうした研究には、数学や英語などの素養も必要です。遊ぶ、使うだけでなく、あなたも「作る側」として一緒に情報技術について学びませんか?

先生の学問へのきっかけ

 中学1年生で初めてコンピュータに触れました。両親が入学祝いに買ってくれたものです。ゲームプログラミングを独学し、ときにはプログラムの投稿雑誌に自らゲームを投稿して掲載されたこともありました。学校ではバスケットボール部に所属し、パソコンはひそかな趣味でしたが、将来はゲーム開発者を夢見ていました。そこで大学は情報工学科に入学しました。3年生の時に飛び級で大学院に進み、故障が起きても動作し続けるシステムを専門とする研究室に入ります。その頃にはゲームではなく、その背景の数学的構造に興味が移っていました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

情報機器メーカー研究員/情報通信会社システムエンジニア/ゲーム会社プログラマー

大学アイコン
土屋 達弘 先生がいらっしゃる
大阪大学に関心を持ったら

 10月19日(土)にマリンメッセ福岡で開催される大学研究&学問発見のための国公私立大 合同進学ガイダンス「夢ナビライブ2019福岡会場」で、土屋達弘先生が【不具合のないプログラムを作るテストの科学】というタイトルの講義ライブを16:00から実施! 全部で145名の大学教授が講義ライブを実施するほか、本学を含む124大学が個別ガイダンスを実施します。詳しくは
 https://yumenavi.info/live/fukuoka/をご覧ください。

TOPへもどる