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講義No.10026

戦間期の外交交渉から考える、「保護主義経済」と「自由主義経済」

自由貿易をめざしてきた知られざる日本の歴史

 第一次世界大戦と日中戦争の間の「戦間期」、世界の列強は保護主義をめざしていました。日本も、中国大陸を含めた「閉じた経済」に向かおうとしていたと考えられています。ところが当時の外交交渉の資料を読み解くと、日本は自由経済から保護経済へという流れに、懸命に対抗しようとしていたことが見て取れます。日本は海運業を通して、自由主義に基づいた経済秩序を守ろうとしていたことがうかがえるのです。

歴史におけるホンネとタテマエから学ぶ

 ブロック経済への転換期といえる時代においても、貿易の自由は守られるべきとの認識は広くあり、国際連盟は自由通商のための規範を作成していました。日本は国際連盟に反発して脱退したイメージが強いですが、当時は連盟が掲げた「世界のルール」に懸命に沿い、自由通商実現のために尽力していました。ひとつの交渉に対して日本や諸外国がそれぞれ作成した資料を読み比べてみると、当時の誤解や思い込み、双方の見解が一致した瞬間など、さまざまなやりとりを再検証できます。
 こうした過去の事例の検証は、現代における保護主義と自由主義の対立問題を分析するための資料としての役割も期待できます。

戦争から距離を置いた視点で

 第一次世界大戦から日中戦争までの流れを振り返ると、日本は戦争への道をひた走っていたかのような印象を受けますが、当時の資料からは、戦争を前提とせず自由貿易に向き合い、実現しようとしていた日本外交の軌跡が浮かびあがります。このことはまた、鎖国で閉じていた日本が、開国後いくつもの戦争を経ながらIMF(国際通貨基金)やGATT(関税及び貿易に関する一般協定)に加盟し、自由貿易を支える立場になるという流れの一端を明らかにすることにもつながります。
 戦争なくして語ることのできない時代だからこそ、戦争とは距離を置いた視点で経済を俯瞰(ふかん)し、後世の発展につながる要素を見極めることも必要なのです。


この学問が向いているかも 歴史学

広島修道大学
国際コミュニティ学部  助教
吉田 ますみ 先生

メッセージ

 今、できるだけたくさんの本を読んでおきましょう。すでに興味のあることが見つかっていれば、その先の世界を見ることができますし、まだ進路やテーマが決まっていなければ、自分だけでは見つけられなかった新しい世界との出会いがあるかもしれません。
 そして行きたい大学や学部が決まったら、そこに入学した後の自分をできるだけ具体的に思い描いてみましょう。授業の内容を解説したシラバスやサークルの案内なども、受験勉強のモチベーションをぐっと上げてくれるはずです。

先生の学問へのきっかけ

 私は広島で生まれ育ち、幼いころから当たり前のように戦争や原爆について考えてきました。ほかの地域の人々にとってそれが一般的でないと知ったのは、大学に入学してからのことです。周りの人たちの反応に衝撃を受け、「戦争や原爆の話は歓迎されにくいもの」という事実を消化できずにいたころに、歴史学と出合いました。学問として歴史学を扱い、戦争や原爆といった過去から逃げず、真摯に向き合う歴史学者の姿勢に感銘を受けたことが、この研究に興味を持ったきっかけです。

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吉田 ますみ 先生がいらっしゃる
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 「個」を育み、伸ばす。それは、約290年前、本学の前身・浅野藩の藩校「講学所」の時代から受け継がれる教育理念です。
 広島修道大学では平成22年度「大学生の就業力育成支援事業」に選定されるなど、学部での学びはもちろんのこと、学生一人ひとりの自己実現をバックアップするさまざまな取り組みを行っています。
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