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講義No.10023

産業廃棄物を利用して、強固で耐久性に優れたコンクリートをつくる

コンクリートの優位性とは

 コンクリートは、セメントに水と砂や砂利を混ぜてつくります。セメントと水だけでは固まってもひび割れが生じますが、砂や砂利を混ぜることで強固になり、量も増えます。セメントは主要成分である石灰石と粘土などを焼成してつくります。コンクリートは強固で耐久性に優れるので、さまざまな構造物を造るのに適しています。利点は、安価にいろいろなカタチのものを造れることです。世界の構造物の多くがコンクリートでできているのはそのためで、今のところコンクリートに代わる材料はありません。

コンクリートの劣化を防ぐには

 コンクリートの問題点は、ひび割れて劣化することです。特に引っ張り力に弱く、ひび割れが大きくなって崩壊することもあります。それを防ぐために引っ張り力に強い鉄筋を入れますが、ひび割れるとそこから水や大気中の炭酸ガスが侵入し、鉄筋が腐食してしまいます。そこでコンクリートの耐久性を向上させるために、灰を入れます。灰を入れるとコンクリートの流動性がよくなるので、隙間のない緻(ち)密なコンクリートをつくることができるのです。さらに、コンクリートに混ぜる砂や砂利も重要です。そこで、良質な灰や砂、砂利をどこから調達するかが、コンクリートの性能はもちろん、コスト面でも大きな課題となります。

産業廃棄物を利用する

 実は、灰は石炭を燃やす火力発電所の廃棄物から得られます。製鉄所からも、同じような作用がある「スラグ」という廃棄物を調達できます。これらは産業廃棄物なので、本来なら費用をかけて処分しますが、コンクリートの材料として有効活用できるわけです。原料となる石灰石を地元で得られる福岡や山口には、セメント工場がたくさんあります。ただし、石灰石が豊富に採掘できるといっても、限りある資源です。
 天然資源の使用を抑えながらコンクリートの性能を高め、劣化させないで維持管理することと、コンクリートそのもののリサイクルが技術的な課題となっています。


ゴミからつくるウマいコンクリートのレシピ

この学問が向いているかも 土木工学、コンクリート工学

山口大学
工学部 社会建設工学科 准教授
吉武 勇 先生

メッセージ

 私は、生活を支える土木工学の研究を行っています。私たちの周りには、橋やトンネル、ダムなどさまざまな構造物があり、そのほとんどがコンクリートで造られています。コンクリートは長持ちする材料ですが、一部では劣化・損傷もみられます。構造物をできるだけ有効に活用するために、適切に補修・補強して長持ちさせる必要があります。
 また、コンクリートそのものの性能を向上させることも重要です。もし土木工学に関心があるなら、一緒にコンクリートの勉強、研究をしませんか。

先生の学問へのきっかけ

 高校時代から漠然と大きな構造物を造る仕事をしたいと思っていました。また大量生産より世界で唯一のものをつくりたくて、大学は土木工学科を選びました。出身地の福岡や大学のある山口は、コンクリートの主要材料であるセメントの生産地であることからコンクリートを研究対象にしました。コンクリートの研究室に入ると決めた1995年に阪神・淡路大震災が起き、橋脚がバタバタ倒れた光景を見て、もっと性能のよいものをつくりたいと決意を新たにしました。現在コンクリートの性能向上や資源の有効活用、リサイクルの研究をしています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

官公庁公共工事の計画・発注/建設会社の現場監督・施工管理技術者/調査・設計会社の測量・設計(デザイン)・メンテナンスエンジニア/資材メーカーの材料開発研究

研究室
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吉武 勇 先生がいらっしゃる
山口大学に関心を持ったら

 山口大学は「発見し・はぐくみ・かたちにする 知の広場」を理念に、9学部からなる総合大学です。英語の苦手な人も得意になれる! 山口大学のTOEICを活用した英語教育はすっかり定着しました。また、学生だからこそ考えつくアイデアに、資金を提供するプログラムとして「おもしろプロジェクト」があります。これら山口大学の個性的な取り組みにぜひご注目ください。

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