夢ナビ 夢ナビ

検索結果一覧へ戻る

講義No.10005

あなたに見えているのは本当の世界なのか? 認知心理学から見た世界

人間はバイアスをかけて世界を見ている

 あなたは、今見ている世界が本当の世界だと思っていますか? 実は、人間は自分なりのバイアス(偏り)をかけて物を見ています。例えば、2本の等しい長さの線の両端の、一方に矢印を、もう一方には逆向きの矢印をつけると、後者の線の方が長く見えます。これを「錯視(さくし)」と言います。あるいは、歩きながら撮影したビデオを見ると、画面がとても揺れますが、実際に歩いている時に、目に映るものが揺れているとは感じません。ゆがみがあっても本質をとらえることを自分では気づかず行っているのです。

人間の心の働きを研究する「認知心理学」

 ものの見方だけでなく、感情の面でも同じです。「よく知っている人」と「まったく知らない人」の2人を評価する場合、知っている人への評価が甘くなる傾向があります。公平に見ているつもりでも、ゆがみが出るのです。また、アンケート調査で「とてもそう思う」から「まったく思わない」までの5段階から選ぶとすると、「とてもそう思う」と「まったく思わない」を選ぶ人は少なくなります。ほかにも、大地震など信じられない出来事が起きた時に、人はその影響を軽く見積もってパニックにならないように感情を抑制する傾向があります。
 私たちはあふれるほどの情報の中で、重要なものは時間をかけて処理し、そうでもないものは適当に処理していて、その結果がさまざまなゆがみとして現れます。「認知心理学」では、人間を知るために目には見えない心や脳の働きを実験や観察で可視化して解明します。

人間の心を科学的に考える

 心理学という学問は、人間科学とも言われていて、もともと主観である「感覚」の大きさを測る物差しをつくることからスタートしています。何の役に立つかというよりも、興味のあることを対象に、あらゆる方向から実験や観察を行い、共通する心の働きを明らかにします。自分の中で気になっている課題をテーマにすることもできる幅の広い面白い学問分野なのです。


この学問が向いているかも 心理学、認知心理学

東北文教大学
人間科学部 子ども教育学科 教授
花屋 道子 先生

メッセージ

 人は、その環境に身を置いてみないと、自分がどうなっていくかなどわかりません。進路についても今の自分を基準にして決めてしまいがちですが、進んだ先で自分も変化していくものです。ですから、まずはあなた自身がやりたいことをいろいろやってみましょう。
 心理学を学ぶと、カウンセラーや臨床心理士への道もありますが、一般企業の人事部などで仕事をする人も多くいます。ぜひ一緒に学びましょう。

先生の学問へのきっかけ

 私はファンタジー豊かな自分の世界を持つ少女でした。大学の文学部入学後に学科を専攻するときは、人間の行動を測定し、データとして分析する「心理学実験」という授業が新鮮に感じられて、心理学を選びました。特別な感性や洞察力を持っていなくても、実験ならたどり着いた答えに自信を持てそうだと感じたことが、心理学との長い付き合いの入口になりました。研究計画を立てて実験し、量的データに基づいて人間行動の法則を見つけることも、インタビューや観察で得た質的データから普遍性を見出す作業も、どちらもわくわくする体験です。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

小学校教員/幼稚園教諭/保育士/児童養護施設指導員/公務員心理職

大学アイコン
花屋 道子 先生がいらっしゃる
東北文教大学に関心を持ったら

 “自分らしさ”をのばし、人間性豊かな先生になる
 大学で学ぶための基礎を固め、専門教育へとつなげる「基礎教育科目」、教育・保育において必要な知識を修得する「専門教育科目」、教育や保育の現場で出会うさまざまな場面に応用できる、より専門的な知識と技術を修得する「専門発展科目」の三つの柱でカリキュラムが構成され、教育・保育のスペシャリストの養成をめざしています。
 また、学生一人ひとりの個性を大切にし、人間味ある先生となって子どもと関わり、未来を創っていってもらいたいと考えています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

TOPへもどる