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講義No.10003

高速道路で急に渋滞が始まるのはなぜ? 「相転移」を解明せよ!

ある瞬間に性質がガラッと変わる「相転移」

 温度や密度、磁場の変化などがある数値を越えた瞬間に、物の性質や状態が全く違う性質になる現象を「相転移」と言います。例えば、物質の中の電子は小さな磁石の性質を持っており、同じ方向を向く相互作用を持つと、その物質は磁石になります。それは温度と関係していて、温度が高いとバラバラの方向を向きます。ですから、磁石を火にくべると、相転移を起こして磁石の性質は消えてしまいます。
 高速道路などで、それまで順調に進んでいたのに急に渋滞が始まったり、逆に急に渋滞が解消したりしますが、これも「相転移」と考えられます。車の渋滞の場合、前の車に近づきすぎればブレーキを踏む、離れていればアクセルを踏む、という前後の車の相互作用により、車の数が一定の密度になると、ある瞬間から渋滞になるのです。

物事の解明はモデルづくりから

 相転移の現象を理論的に解明するためには、まずモデルをつくります。例えば、渋滞であれば車と車の間隔が何メートルになったら流れが止まるのか、バネや磁石でモデルをつくり、そのモデルから数式をつくって、それを解いていきます。これは微分方程式のような式なのですが、とても複雑で簡単に解くことはできません。
 例えば、空から落ちてくる雨粒は、自然落下のままのスピードで落ちてきたら頭を突き抜けるほどの速さになりますが、実際には空気抵抗や風など、さまざまな条件が加わります。これをモデル化して数式をつくり、それを解くことで、天気予報に役立てられています。

コンピュータで解析し、物理現象を解明

 物理学では、「なぜこういうことが起きるのか」ということを、モデルをつくりそれを解くことで理解していきます。そうやって物の本質を追究していくと、物理現象は普遍的な性質を持っていることがわかってきます。数式をコンピュータで解く際には、どんなプログラムを組めばより解きやすくなるかなどを考える過程で、コンピュータの効率的な使い方も学ぶことができます。


この学問が向いているかも 物理学

東北文化学園大学
工学部 知能情報システム学科 教授
鈴木 伸夫 先生

メッセージ

 「なぜこうなっているのか」、常に物事に関心を持ってください。進学先を決める時も、名前が知られている大学だからとか、先生や家族が勧めるからというのではなく、本当に自分がやりたいことは何かをもう一度考えてみましょう。もちろん、途中でやりたいことが変わってもいいのです。いくらでもやり直しはできます。
 もし、どうしてもやりたいことが見つからなければ、「コンピュータを使いこなせたらカッコイイ」という理由でも構いません。迷いながらも勉強するうちに、だんだんとやりたいことが見えてきます。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃から「なんでこうなっているのか」ということに興味があり、3歳の時にコンセントにヘアピンを差して感電してしまいました。そのせいか、何かをやる前に少し考えるクセがつきました。小学生の頃は、星や宇宙に興味があって小さな望遠鏡を買ってもらい、将来は博士になると話していました。数学や物理が得意で「情報系はかっこいい」と工学部に進みましたが、そこで物理の魅力にはまってしまいました。そしてコンピュータを独学で学び、コンピュータで数式を解く際の手法を考える計算物理学の分野で仕事をすることになりました。

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鈴木 伸夫 先生がいらっしゃる
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 東北文化学園大学は、仙台・国見の丘にキャンパスを持ち、医療・福祉・社会・経済・工学・情報の幅広い学びができる総合大学です。「実学教育」を教育理念に掲げ、専門職業人を育成する大学です。2021年4月から新しい学部を設置し、学際的な教育環境がさらに充実します。また、「キャリアサポートセンター」の就職支援と相成って、例年高い就職率を誇り、卒業生は各業界で高い評価をいただいています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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