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講義No.09989

地球環境を守るための施策を考える! ~環境経済学のチカラ~

環境問題と経済学との深い関係

 「環境経済学ってなんだろう?」と不思議に思う人も多いでしょう。わかりやすく言えば「自然資源の最適な配分を考える」ための学問です。地球温暖化の問題が深刻化している中で、いくら「環境を守ろう」「自然を大切にしよう」と声をあげても、自然環境の保護や自然に配慮した産業改革にはコストがかかるため、なかなか改善されません。そこで大切なのが、まず環境の価値を明らかにすることなのです。
 環境問題においては、自然科学が解決するものであり社会科学の知見は不要と思われがちです。しかし、自然科学は問題を浮き彫りにする学問であり、環境経済学は自然科学とそれを解決する政策との橋渡しをする役割を果たしている学問だと言えます。

自然の価値をお金に換算?

 人間は自然環境から多くの恩恵を受けています。例えば近年の温暖化の影響で、沖縄近海のサンゴ礁がどんどん減っています。すると、美しいサンゴ礁を観光資源としてきた沖縄県の観光産業は大打撃を受け、損失が発生します。それ以外にも、サンゴ礁は多様な海洋生物を育む、台風の高波を防ぐなど多くの利益をもたらしてくれています。しかし、その価値は市場で取引されず、目に見える形としては出てきません。そこで、自然資源の価値を経済学的な観点から正しく評価し数値化することで、その保全の損益がはっきりするのです。

環境という資源を最適に分配する

 地球の自然環境や生物の多様性は、長い年月をかけて生み出され、進化してきたかけがえのない資源です。私たちは自然の恩恵を無償で当たり前のように享受していて、その価値に気づいていません。しかし確実に人間の活動による環境破壊や地球温暖化が進んでいます。
 経済の語源となった「経世済民」という言葉の意味は「世をおさめて民を救う」ということです。今後はさらに、自然科学の知見によって浮き彫りにされた環境問題を環境経済学によって政策につなげ、後世に自然を残せるような社会を築くことがとても重要です。


この学問が向いているかも 経済学、環境学、環境経済学

北星学園大学
経済学部 経済学科 准教授
野原 克仁 先生

メッセージ

 2018年にアメリカの環境経済学者ウィリアム・ノードハウスがノーベル経済学賞を受賞し、世界的にもとても注目されているのが、環境経済学という分野です。経済学は単にお金のやりくりを研究する学問ではなく、資源を最適に配分するための学問です。
 地球環境は経済活動が原因で、どんどん悪化しています。環境経済学という学問を知ることで、自然豊かな日本を、身近な自然を守るということに、あなたもぜひ目を向けましょう。また、そのために経済学がいかに貢献できるかということも、身をもって体験してもらいたいと思います。

先生の学問へのきっかけ

 自然豊かな長野県で育ちました。小学生の時に近所の湧き水が開発で破壊されそうになり、自然は人間に必要不可欠なものなのに、なぜわからないのかと憤りを覚えました。環境問題に貢献する仕事に就こうと考え、進学先の検討中に、環境経済学の学問を知りました。大学卒業後は国連やシンクタンクを志望したものの、理想と現実の格差を感じ断念。指導教授に「研究者なら、自分の頭脳で世界と勝負できる」と言われ、研究の道へ進みました。自然環境を守るには、自然科学の知見だけでは不十分で、自然の価値を測り政策につなげるのが重要です。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

市役所 環境対策課

大学アイコン
野原 克仁 先生がいらっしゃる
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 本学は、文学部、経済学部、社会福祉学部、短期大学部の4学部10学科を擁する札幌市内の文系総合大学です。キリスト教精神に基づく人格教育により「人間性・社会性・国際性」を身につけ、社会に貢献できる人材をめざします。北星の強みは、英語教育の質の高さ、社会福祉士の合格実績、施設の充実。特に、交換留学などの国際交流、高い就職実績や自分らしい生き方をサポートする本学独自のキャリア支援が挙げられます。

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