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講義No.09985

「今」を知るために「過去」を知る~中国近代史の新しい局面とは?~

故きをたずねて新しきを知る歴史研究

 中国近代史を語るためには、まず日本の平安時代にあたる10世紀以降くらいからをバックボーンとして学びます。また、歴史研究にはたくさんの資料やデータが必要なのですが、その点、近代史は資料が豊富にあります。外交や貿易の出来事は相手国にも資料が残っていて、合わせるとよりわかりやすくなります。
 これからの世界で生きていくために、日本人は隣国の中国のことをしっかり知ることが必須です。中国人の言動を理解し、「今」の中国を知るためには、「歴史」を踏まえることが重要なのです。

周囲との比較により特異性は際立つ

 日本とヨーロッパは「東洋」と「西洋」という文化の違いを打ち出してきましたが、実は考え方や価値観は似ている面があります。むしろ中国やアジアの方が意外性に富み、常識が異なります。また、異文化理解には地理的環境も重要です。地理的環境が異なれば、当然暮らしぶりが左右され人の結び付き方も違ってきます。その面ではインド、ロシア、中国、イスラムに共通点があります。中国を通してさまざまな文化を比較することができ、新たな世界を知ることができます。

今まさに歴史の目撃者とならん

 中国では、計画経済から市場経済に移行し高度経済成長を遂げる中で、共産主義体制下で、これまでは考えられなかった腐敗や汚職が出てきました。でもそうした政治的腐敗は、実は昔の王朝時代の中国にもあったことであり、歴史が繰り返されています。一方で、現在はITの発展にともない広い国土でも瞬時に情報が行き渡る時代になりました。国をまとめたい政府にとって管理や統制がしやすくなったといわれています。この点、中国人は実用主義者なので、画一的に管理されるリスクは認識しつつも「便利ならいいか」と割り切っている面もあります。ここ数年、中国でもだんだんと若者が減って社会構造が変わってきており、歴史家にとっては、激変に目が離せない面白い時代を迎えています。

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この学問が向いているかも 史学、地理学

京都府立大学
文学部 歴史学科 教授
岡本 隆司 先生

メッセージ

 受験科目としての「歴史」は覚えることがたくさんあり、私自身も大変だなと思いました。しかし、「勉強」と意気込まずに、歴史に関わること、歴史上の人物を描いたものなど歴史関連の本も読んでほしいと思います。日本史でも西洋史でも構いません。
 また、長い文章をしっかり読むこと、順序だてて文章を書くことは非常に大切ですが、それらができる人が減ってきています。練習しておくと、将来とても役に立ちます。

先生の学問へのきっかけ

 幼少期から歴史マニアでした。歴史上の人物の行動とその背景を知るのが面白かったのですが、周囲からは「とても変わった人だ」と見られていたのではないかと思っています。中国の歴史に最初に興味を持ったのは『三国志』がきっかけでした。大学に入って専門的なことを学び、実際に資料を調べていくと、謎が謎を呼んで引き込まれ、すっかりとりこになってしまいました。欧米語よりも漢文ができたのも研究には有利に働きました。面白いと思うことを続けて来られて幸運だなと思っています。

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岡本 隆司 先生がいらっしゃる
京都府立大学に関心を持ったら

 京都府立大学は、長い文化的伝統を持つ京都の地において、120年にわたって府民に支えられつつ学問の府として活動してきた歴史を踏まえ、学生とともに、これからも京都府の知の拠点として、その使命を果たし続けます。そして、自主自律の精神のもと、大学人としての自覚を持ち、豊かな知性と教養、高い専門能力と倫理的判断力を備えた人材を育成し、高度で独創的な研究を推進することによって、自然との共生をはかりながら、地域社会の発展と府民生活の向上、さらには人類の幸福に貢献します。

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