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講義No.09980

身近な「食」から地球環境問題が見えてくる!

エビが森林破壊につながる?

 エビフライ、天ぷら、エビチリなどで何気なく食べているエビですが、実は9割が外国産であり、原産国の環境破壊や児童労働という問題を生んでいる場合が多いのです。
 インドネシアやベトナムなどの原産国では、広大なエビの養殖場を造るために森林が次々と伐採され、未成年の子どもが低賃金で働かされているケースがあります。また、バングラデシュではエビを早く成長させようと抗生物質で太らせ、年に3~4回も養殖している場合もあり、生態系への悪影響が懸念されています。環境社会学はそうした身近な食と環境の問題から、「どうしたら人は環境と共生できるか」を多様な視点で考える学問です。

甘いハチミツの、甘くない現実

 世界の最貧国バングラデシュに目を向けてみましょう。ここには世界最大のマングローブ林が広がりますが、その花を蜜源とする天然ハチミツを採取して生計を立てる現地住民が約2,000人います。ベンガルトラや蛇もいる危険な森の中で、命がけでハチミツを採取しても、月わずか日本円で3,000円ほどにしかなりません。仲介人が安く買いたたくからです。こうした貧困の構造自体を変えようとNGO団体が支援に乗り出し、「仲介人を通さない販売場所の確立」や「商品開発」、「主としてミツバチの生息環境を保護するための植林」などの支援を行っています。環境と地域の経済活動をどう両立させるか、挑戦が続いています。

環境問題の正解は1つではない

 では、環境問題解決のために、私たちに何ができるでしょうか? 「環境に優しい商品を購入する」「食品ロスを減らす」などいくらでもあり、しかも正解は1つではありません。大切なのは、私たちの暮らしが世界とつながっていると「気づく」ことです。そして、環境問題の負の影響を受けるのは、いつも脆弱(ぜいじゃく)な立場にある貧困層であることに思いをはせることです。スーパーで食材の産地を意識し、食卓を見直し、「このままでいいのか」と考える、そこから世界は変わっていきます。

参考資料
1:開発途上地域におけるエビ養殖場の様子
2:バングラデシュ・シュンドルボンにおける天然蜂蜜採取

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この学問が向いているかも 環境社会学、環境教育学、国際地域開発学

江戸川大学
社会学部 現代社会学科 講師
佐藤 秀樹 先生

メッセージ

 環境問題はどこか遠い国の話だと思っていませんか? コンビニや飲食店の「食品ロス」も身近な環境問題です。まだ食べられるのに廃棄される食品は国内で2016年度、年間643万トンでした。
 こうした問題を発掘し、「自分ならどう解決するか」と考える力は、企業や社会で必ず役立ちます。「Think Globally, Act Locally(地球的な視野で考え、地域や足元から行動する)」の精神で、まずは身近なところから環境問題を考えていきましょう。

先生の学問へのきっかけ

 赤道直下のエクアドルで、木にトマトのような実がなる果樹「トマテ・デ・アルボル」を見た日のことは今も覚えています。20代の時、JICA青年海外協力隊(野菜栽培)に参加しましたが、現地では化学肥料や農薬を多用して作物が育てられていました。そこで家畜の排せつ物の堆肥の利用や唐辛子エキスで害虫防除を行うなど、学生や農家と有機農業の普及に努めました。その時、「環境が守られてこそ、私たちは豊かな生活を送れる」と実感したのが、環境問題に関わるきっかけでした。以来、現地の環境保全と生活向上の両立は私の使命です。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

環境コンサルタント/博物館職員/自然公園職員/インタープリター/アクティブレンジャー/都市緑地コーディネーター/国際協力団体 など

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佐藤 秀樹 先生がいらっしゃる
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 江戸川大学は、つくばエクスプレス利用で秋葉原から約30分と都心からほど近くに立地しています。豊かな緑に囲まれた落ち着いた雰囲気のキャンパスに、社会学部(人間心理学科、現代社会学科 、経営社会学科)とメディアコミュニケーション学部(マス・コミュニケーション学科、情報文化学科、こどもコミュニケーション学科)を設置。少人数教育と「演習、実習中心のカリキュラム」で学生一人ひとりの個性を伸ばします。また、全学生にノートパソコンを貸与、無線LANがほぼ学内全域をカバーするなど、充実のITインフラが特長です。

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