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北海道医療大学の教員による講義

関心ワード
  • 神経心理学、
  • 小脳、
  • 言葉(ことば)、
  • リハビリテーション、
  • 認知症、
  • 言語聴覚士、
  • 脳、
  • 記憶、
  • 失語症、
  • 高次脳機能障害

「言葉」や「記憶」と「脳」をつなぐ言語聴覚士

高次脳機能障がいって?

 「高次脳機能障がいとは、脳に損傷を受け、見たり聞いたりしたことが認知できなくなったり、記憶の障がいや失語症などが起こったりするものです。原因となるのは、脳梗塞や認知症などの病気、あるいは事故による脳外傷などさまざまです。
 高次脳機能障がいのメカニズムを解明する研究は、大脳だけでなく、小脳の研究にまで進んでいます。例えば、小脳が萎縮する「脊髄小脳変性症」は、運動の障がいだけでなく、記憶や言葉に大きく関わっていて、言葉が思い出せなくなる、暗算が苦手になるなど、さまざまな症状が現れます。臨床現場では日々症例が蓄積され、少しずつ障がいのメカニズムの分析が進み、治療やリハビリテーションに生かされています。

言語や記憶に深く関わる高次脳機能

 脳の一次的機能は、目で見る、耳で聞くという知覚機能や、手足を動かすなどの基本的な命令です。それに対して高次脳機能とは、一次的機能の情報を総合して、より高度で複雑な「認知」や「言語」「記憶」などを営む機能です。
 認知症があると、物忘れや、思ったことをうまく言葉にできない、といった症状が現れます。また失語症や、脳梗塞の後遺症やパーキンソン病による記憶障がいなどの多くは大脳の損傷によって起こる障がいです。特効薬はなく、有効なのがリハビリテーションで、症状に応じたさまざまな訓練法が研究されています。
 高次脳機能障がいの研究には臨床との連携が欠かせません。高次脳機能障がい学は、「ニューロサイコロジー(神経心理学)」とも呼ばれ、脳機能に加え心理学の知識も必要な分野となっています。

臨床現場で重要な「言語聴覚士」

 脳の仕組みや働きはまだまだわからないことも多く、脳の機能障がいには、正しい診断に基づくリハビリテーションが治療の柱となっています。それを担う専門家が「言語聴覚士」です。身体機能のリハビリテーションを行う理学療法士と少し似ていますが、言語聴覚士は主に音声・聴覚・言葉などの障がい、高次脳機能障がい、飲み込みの障がいを担当しています。

この学問が向いているかも 言語聴覚療法学


リハビリテーション科学部 言語聴覚療法学科 教授
田村 至 先生

先生の著書
先生がめざすSDGs
メッセージ

 言語聴覚士は、発達上の要因や脳卒中などによる言葉の障がい、発声や発音の障がい、聴覚障がい、吃音(きつおん)など言葉によるコミュニケーションの障がいだけでなく、飲み込みにくいといった嚥下(えんげ)障がい、さらに認知症まで、幅広い領域にわたる検査や治療をしています。
 現在、日本には、約3万人の言語聴覚士がいますが、とても足りない状況で、社会から求められている仕事です。北海道医療大学は、言語聴覚士養成の長い歴史があります。興味を持ったら、ぜひ本学に学びに来てください。

先生の学問へのきっかけ

 私は現在の専門分野である言語聴覚療法の研究にたどり着くまで、多くの分野を経験してきました。大学の法学部に入学しましたが、文学に興味を持ち、文学研究の中で「言葉とはなにか?」を考えるうちに「言語学」の研究へと進みました。そこから言語聴覚士の道に進み、失語症や認知症などの患者さんに数多く接してきました。文学、言語学、そして社会経験を経て感じたのは「脳と言葉が最も人間とは何かを知ることができる研究分野だ」ということです。あなたもぜひいろいろな世界を見て、自分の関心を追究してみてください。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

病院・医療施設(リハビリテーション部門)/養成校教員(大学、専門学校)

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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