夢ナビ夢ナビは、さまざまな言葉をデータベースから検索・閲覧し、将来の進路を決める“きっかけ”を提供します。

講義No.09964

ミクロな細胞の機能を研究する! ~細胞研究の最前線~

細胞間の相互作用

 細胞は相互に連関しながら機能を果たしています。例えば、脳の中に無数にある神経細胞は、1つひとつがコンタクトをとりあって人間の記憶や学習を支えています。神経細胞にある1本の長い突起がニョキニョキと伸びてほかの神経細胞につながり、情報伝達をし合うことで神経回路を形成しているのです。また上皮細胞は、複数の細胞が接着して集団を形成し、その集団単位で動くという機能を持っています。これは「集団的細胞運動」と呼ばれ、組織や器官ができるときに使われる運動様式であり、がんが広がり、転移する際にも見られる動きです。

細胞内の交通状況

 細胞内にはタンパク質や脂質などさまざまな物質がありますが、それぞれのはたらく場所が決められており、細胞内で、正しいときに正しい場所へと運ばれていきます。A地点からB地点に直接運ぶ場合や、細胞内小器官と呼ばれる中継地点を経由し、そこで仕分けした後に次の目的地へ運ぶといった動きもあります。こうした「細胞内小胞輸送」の研究が、2013年のノーベル生理学・医学賞を受賞しました。バスや電車が人を乗せ、トラックが荷物を積んで運ぶかのような、複雑な動きを制御するものには「Rabファミリー低分子量Gタンパク質」などがあり、哺乳動物で70種類以上みつかっていますが、それらの役割は十分に解明されてはいません。

異分野との連携

 細胞のはたらきについての研究をするには、分子生物学や生化学、細胞生物学といったいろいろな学問分野が必要です。それぞれが密接に結び付いて、医学と生物学の領域にまたがるさまざまな生理・病理現象の謎を解き明かします。また、新たな発見を行うために、バイオインフォマティクスや画像解析、バイオメカニクスといった異分野の学問との連携も盛んに行っており、近年では光学分野との連携も進められています。
 分子生物学や生化学、細胞生物学が明らかにしてきたシーズ(種)を、目覚ましい進歩を続ける光技術と組み合わせることで、これまで誰も見たことのない発見がなされるかもしれません。

アイコン

講義を視聴する(1分)

アイコン

講義を視聴する(1分 その2)

アイコン

講義を視聴する(1分 その3)

アイコン

講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 分子生物学、生化学、細胞生物学

徳島大学
医学部 医学科 生化学分野 准教授
坂根 亜由子 先生

メッセージ

 高校時代や大学生活では、何か1つのことに熱中することが大切です。さまざまな学問分野や、部活動、アルバイトなど、いろいろなことに興味を抱くことは大切ですが、何かを究めるためには、ある程度のことは切り捨てて、1つにとことん集中しなければなりません。そうすることではじめて、自分がめざす分野の奥深さがわかり、その入り口に立つことができるのです。

先生の学問へのきっかけ

 私は、生化学や細胞生物学の分野で、細胞内の小胞輸送などを専門に研究しています。子どもの頃から医者になるのが夢で、猛勉強して大学の医学部に入りました。優秀な医者めざして勉強していた1年生の終わり頃、友人に連れられて「細胞内小胞輸送」が専門の研究室を訪れました。そこで後の恩師となる教授と出会い「研究者の目をもった医者になってほしい」と言われ、基礎研究の奥深さを感じ、研究者の道へと進みます。異なる学問分野の研究者とも協力して、現在は学内に新たに設置された研究所で、光学分野との連携にも取り組んでいます。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

医師/大学教員/管理栄養士/製薬会社研究員/食品会社社員/薬剤師など

大学アイコン
坂根 亜由子 先生がいらっしゃる
徳島大学に関心を持ったら

 徳島大学は有為な人材の育成と学術研究を推進することにより、人類の福祉と文化の向上に資するため、自主・自律の精神に基づき、真理の探究と知の創造に努め、卓越した学術及び文化を継承し、世界に開かれた大学として豊かで健全な未来社会の実現に貢献することを理念としています。豊かな緑、澄み切った水、爽やかな風、温暖な気候に恵まれた徳島の地にあって、「知を創り、地域に生き、世界に羽ばたく徳島大学」として、発展を目指しています。

TOPへもどる