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講義No.09962

産業の現場で起こるヒューマンエラーの解決を、心理学から考える

人間のミスは避けられない

 産業の現場では、働く人がどんなに苦労しても、どんなに工夫しても、人間のミス(ヒューマンエラー)による事故は少なからず発生します。例えば原子力発電所では、ひとたび事故が起きたときの影響は大きく、安全に対する世間の厳しい目もあるため、緊急対策訓練や防災訓練を徹底するなど、もしもの事故に備えた体制が強化されています。相当なプレッシャーの中で働く職員のミスをどう防ぐか、そのためにはどんな教育が必要なのか、そもそもなぜ人間はミスをしてしまうのか、新しい視点から問題点を考察することが必要です。

ミスの背景にある現場の問題

 2001年、日本上空において日航機同士がニアミス(異常接近)するという事故が起きました。管制官が便名を呼び間違えたことが原因です。衝突回避のため急降下した機内ではけが人も発生し、管制官は業務上過失傷害罪に問われ、職も失いました。ミスをした個人の責任を問うことは当然ですが、それだけでは根本的な解決にはなりません。
 その背景に潜む問題点を探るため現場に入ってみると、刻々と状況が変わる中で対応を迫られる管制官の業務内容は、とてもシビアだということがわかります。スムーズに運営するための対応策はいくつも講じられていますが、さらなる安全のため、どのような環境や条件がミスにつながるのか、心理学の立場から研究し、現場で実践する取り組みも進んでいます。

情報を得るには「心の目」も必要

 人は目で「視て」情報を得ることができます。しかし意識がほかのことに集中していると、「視て」いるはずなのにまったく情報が入ってこなくなります。例えば友だちと顔を見合わせているのに、隣席の話が気になって会話が成り立たない、という経験があるでしょう。視覚も、心の目も向いていないと、「視れども見えず」という状態になるのです。
 心理学的に実証されているこうした現象も、人間の行動に影響を与えており、ヒューマンエラーの一因と考えられています。

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この学問が向いているかも 産業心理学

宮城学院女子大学
学芸学部 心理行動科学科 教授
大橋 智樹 先生

メッセージ

 できるかできないかを考える前に、まずは行動してみましょう。つらいこと、例えば大学受験のための勉強も含めて、高校生のときにしかできないことを徹底してやってみましょう。高校生という今を存分に楽しみながら、さまざまな場所でたくさんのことを経験してください。
 目の前にあるいろいろなチャンスを貪欲に生かしたら、その先にきっと何かがあるはずです。自分にはできないから……と諦めずに、とにかく動いてみることが大事です。あなたの挑戦を大学はフォローします。

先生の学問へのきっかけ

 小学2年生のクリスマスに「人の心が読める機械をください」とサンタクロースにお願いした私は、大学は人文学部に進みました。大学2年生の時、教授に勧められ、軽い気持ちで参加した日本心理学会が大きな転機になりました。心理学に興味はあったものの、学会で発表される内容はまったく理解できませんでした。でも20歳の青年だった私には発表者がとてもカッコよく見えて、自分もこの中に入りたいと思ったのです。それが心理学の研究者をめざすきっかけです。

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大橋 智樹 先生がいらっしゃる
宮城学院女子大学に関心を持ったら

 10月5日(土)に夢メッセみやぎで開催される大学研究&学問発見のための国公私立大 合同進学ガイダンス「夢ナビライブ2019仙台会場」で、大橋 智樹先生が【なぜ人はミスをしてしまうのか?】というタイトルの講義ライブを13:30から実施! 全部で140名の大学教授が講義ライブを実施するほか、本学を含む118大学が個別ガイダンスを実施します。詳しくは
 https://yumenavi.info/live/sendai/をご覧ください。

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