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講義No.09958

住民主体の「見守り」が、高齢者や被災者の生活課題を解決する

地域で高齢者を見守る

 高齢化と人口減少が進み、高齢者だけで暮らす世帯や、一人暮らしの高齢者が増えています。地域のつながりが希薄になる中で、誰にも相談できずに孤立し、自宅で亡くなってもしばらく発見されなかった、という孤独死も少なくありません。そうした事態を防ぐために、地域住民、行政、専門の知識のある事業所などが協力しながら、地域で高齢者を見守るネットワークづくりが行われています。見守りとは「お互いを気にかけること」ですから、地域住民が主体となって行動できるようになることが理想です。

被災地でも見守りは重要

 東日本大震災の津波被害で住まいを失った人たちの中には、再びもとの場所に住むことがかなわず、高台など新たに造成された集団移転地に入居した人がたくさんいます。そこには昔から付き合いのある人もいれば、別の地域から来た人もいて、家族構成や状況もそれぞれ異なります。そうした中で新しいまちづくりを行う場合、住民同士で支え合う仕組みづくりがとても重要です。
 まずは地域のネットワークをつくることが必要です。お茶会などのイベントをきっかけにコミュニティができていくこともあります。みんなが集まる場所に出てこない人のところには、地域の住民の方から訪問します。そのいちばんの目的は、安否確認ではなく顔を知ることです。知らない人のことは無関心でいられても、知っている人のことは心配になるものです。知っていることで、犯罪防止につながる可能性もあるのです。

見守りは心理と福祉の両輪で

 地域包括支援センターやサポートセンター、ボランティアの助けを借りながら、支援の方法を考える福祉学からのアプローチは、互いに無関心だった住民が、相手を気にかけるきっかけになります。また、気にかけることが、相手を理解し、行動につながるという心理学の考え方も現場では役立ちます。住民を主体にした見守り活動の推進には、心理と福祉の両面から柔軟に対応していく必要があるのです。

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この学問が向いているかも 社会福祉学、福祉心理学

東北文化学園大学
医療福祉学部 保健福祉学科 教授
野﨑 瑞樹 先生

メッセージ

 「遊びたいな~」「勉強したいな~」とスマホにつぶやくだけではなく、自分から行動してみましょう。お年寄りの助けになりたいと言いながら、実際はお年寄りと接する機会がないという学生も多くいます。興味があるのにそれを探そうとしない、そもそも興味があると気づいてさえいないこともあります。
 「面白そうだな」と感じたら、すぐに動いてみましょう。ボランティアに参加したり、経験と知識が豊富な大人と話してみたりしてください。ほんのわずかな一歩でも、踏み出してみることがとても大事なのです。

先生の学問へのきっかけ

 東日本大震災が発生した当時、私は東京に住んでいました。すぐにでも被災地に駆けつけたいと思いましたが、私自身も大変な状況で、それもかないませんでした。それ以来、いつか被災地のまちづくりや見守り活動に関わりたいと思うようになりました。そんなある日、宮城県東松島市あおい地区の地区会長を務める小野さんというステキな男性と出会いました。夢とビジョンがあり、それをかなえるためのネットワークもある小野さんとの出会いをきっかけに、私はあおい地区に通いながら、住民主体のまちづくりを陰で支える活動を行っています。

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野﨑 瑞樹 先生がいらっしゃる
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 東北文化学園大学は、仙台・国見の丘にキャンパスを持ち、科学技術・総合政策・医療福祉の3学部に7学科6専攻を設置。「実学教育」を教育理念に掲げ、専門職業人を育成する大学です。そのため、資格取得支援が充実しています。医療福祉学部では、理学療法士を始めとする様々な医療・福祉系国家資格の認定養成校であり、総合政策学部・科学技術学部では、各学科による資格取得対策プログラムが充実しています。「就職センター」の就職支援と相成って、例年高い就職率を誇り、卒業生は各業界で高い評価をいただいています。

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