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講義No.09934

犯罪を抑止し、予防するための「犯罪心理学」

誰にでも犯罪者になる可能性がある

 人は他者に対して、暴力や攻撃といった行動を起こすことがあります。中には相手を操作するための手段として意図的に攻撃する人もいますが、多くの場合、暴力をふるってしまう背景には、「強い怒りや恨み」が潜んでいます。なんらかのきっかけに反応し、「ついカーッとなって」衝動的に行動してしまうのです。きっかけがなければ攻撃することはなかったかもしれませんし、「そんなことをする人だとは思わなかった」という声もよく聞きます。犯罪者になる可能性は誰にでもある、ということです。

犯罪を「させない」社会的抑止力

 怒りの感情から相手を殴りたいと思ったとき、人間には「手をあげてはいけない」と修正する能力がある、という仮説があります。これは個人の経験や社会環境から学習した結果が影響していると考えられています。たとえ修正能力が低くても、暴力という行動に移さない場合もあります。自分にとって大切な人を悲しませたくないという感情など、人とのしっかりとした絆(きずな)がストッパーになっているという、社会的絆理論の考え方です。
 また、社会問題化している万引きは、店の経営に支障をきたす場合も多く、万引きをさせない環境づくりに地域で取り組む自治体も増えています。一人ひとりの自制心だけでは犯罪を止めるのが難しいことも多く、こうした社会的抑止力の重要性が指摘されています。

情報を発信し予防行動を促す

 犯罪を完全になくすことは難しいということを前提に、犯罪に巻き込まれるリスクを下げる行動を取ることも大切です。特殊詐欺にひっかからないための効果的な情報発信の方法や、イヤホンをつけて夜道を歩くことを止めるための効果的な注意喚起の仕方など、犯罪心理学や社会心理学の観点からの、事業者や行政、警察などと連携した取り組みも進んでいます。
 こうした情報を一番届けたいのは、自分は絶対に犯罪に巻き込まれないと思っている人です。しかし、こういう人ほど情報が届かないという傾向もあり、その解消も今後の大きな課題です。


犯罪の心理学:犯罪を通して人間を知ろう!

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この学問が向いているかも 犯罪心理学、社会心理学

東北大学
文学部  准教授
荒井 崇史 先生

メッセージ

 人はなぜ暴力をふるうのか、あるいは、なぜ自らを犠牲にしてまで人を救うのか、こうした行動の裏にある、人間の中の善と悪を犯罪心理学では探究します。あなたの内面にも、もしかしたらダークサイドがあるかもしれません。自分の中の裏の部分や弱さを探してみることは、自分を理解する上で重要です。
 あなたが、人間の光と影をより深く研究してみたいと考えているなら、一緒に探究していきましょう。犯罪心理学は心のダークサイドが関わる、さまざまな社会問題を抑止したり、予防したりできる、意義のある学問です。

先生の学問へのきっかけ

 プロ選手を夢見るサッカー少年だった私は、高校生の時に読んだ小説をきっかけに、「なぜ人は人を殺すのか? なぜ人は人に暴力を振るうのか?」ということに関心を持つようになりました。プロになるのを諦めて、次にめざしたのは大学で博士号を取得し、研究者になることでした。いちばん面白そうだったから、という理由で心理学を選んだ私は、研究者になるという夢をかなえ、現在は社会心理学と犯罪心理学について研究を続けています。犯罪はなぜ起きるのか、その背景にある、人の心の善と悪を探究することが課題です。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

公官庁家庭裁判所調査官/公官庁矯正心理専門職/公官庁法務教官/公官庁警察官

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荒井 崇史 先生がいらっしゃる
東北大学に関心を持ったら

 建学以来の伝統である「研究第一」と「門戸開放」の理念を掲げ、世界最高水準の研究・教育を創造しています。また、研究の成果を社会が直面する諸問題の解決に役立て、指導的人材を育成することによって、平和で公正な人類社会の実現に貢献して行きます。社会から知の拠点として人類社会への貢献を委託されている東北大学の教職員、学生、同窓生が一丸となって、「Challenge」、「Creation」、「Innovation」を合言葉として、価値ある研究・教育を創造して、世界の人々の期待に応えていきたいと考えます。

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