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講義No.09932

心理学が解明する、「スポーツパフォーマンス」と「感情」との関係

スポーツと感情

 あなたはスポーツの試合で、体が思うように動かなかった経験がありますか。大事な試合などでは、緊張が高まり、普段とは違う変化が体にも生じます(これを「あがり」と呼びます)。またスポーツでは、得点を決めて喜んだり試合に負けて悲しんだりといった喜怒哀楽の感情を頻繁に体験します。スポーツにおける感情の役割とは何か、どのような感情が体に影響するのかなどを調べるのがスポーツ心理学です。

状況の認知と感情の関係

 感情は、自分が置かれた状況を「認知」することで生じます。例えば、上述した「あがり」は、その場面を脅威(自分では手に負えない)と認知することで生じます。このような感情の仕組みを知ることは、試合の実力発揮にもつながります。ラグビーの五郎丸選手は、プレースキックを蹴る前に胸の前で忍者のように手を合わせることで話題になりました。よく見ると手だけでなく、ボールの置き方や歩数、呼吸の仕方も同じです。どんな大舞台であっても、普段から繰り返している動作を通じて、普段通りの状況であると認知することで、過度な緊張が取り除かれて自分の本来の力が発揮できます。

「くやしさ」のメカニズム

 「あがり」にみられるように、多くのアスリートは感情を抑えることを重視しています。これとは逆に、最近では感情のたかぶりを生かすケースがあることもわかってきました。その代表が「くやしさ」というネガティブな感情です。ネガティブな感情は心の中から排除すべきものと考えられますが、「くやしさ」は例外です。「くやしさをバネにして頑張った」とコメントし、過去の失敗体験を次の成功体験に結びつけたアスリートが数多く存在することから、「くやしさ」にはこれまでの研究成果と異なる特別な力が潜んでいる可能性があります。何らかの作用によって、ネガティブな心の動きがポジティブなものに変換されている例であり、「くやしさ」の特徴の解明は今後の重要な研究テーマです。このように、複雑に絡み合う心と体の関係性を解き明かすことが、スポーツ心理学の醍醐味です。

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この学問が向いているかも スポーツ心理学

大阪体育大学
体育学部 スポーツ教育学科 スポーツ心理・カウンセリングコース 教授
手塚 洋介 先生

先生の著書
メッセージ

 私が専門とする心理学は、人について学ぶ学問ともいえます。ですから、高校時代に自分や友人、そのほか周りの人たちに対して、積極的に興味を持ってください。自分や他人をよく観察しながら、「人間とはなんだろう」「どういう存在なのだろう」ということに思いを巡らせてほしいと思います。
 何事においても興味や関心を持って、「なぜ」と考える習慣が身につくほど、大学での学びが多くなるはずです。

先生の学問へのきっかけ

 私は高校までサッカーをしていました(ポジションはDF)。高校時代に試合に出場した際、「失敗したらどうしよう」「自分のせいで失点したら嫌だなあ」などと考えてしまい、思うようにプレーができなかった経験があります。心の動きがプレーに影響した自分の経験から、スポーツについて深く学びたいと思うようになりました。現在は競技スポーツだけでなく、一般の人たちを対象とした健康スポーツにおける感情の役割を研究するほか、そもそも感情とは何か、感情の制御を通じて体がどのように変化するのかといったテーマに取り組んでいます。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

プロ・実業団のスポーツ選手/スポーツ指導者/体育教諭/国立・都道府県スポーツ科学センター研究員

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手塚 洋介 先生がいらっしゃる
大阪体育大学に関心を持ったら

 7月24日(水)にインテックス大阪で開催される大学研究&学問発見のための国公私立大 合同進学ガイダンス「夢ナビライブ2019大阪会場」で、手塚洋介先生が【スポーツ心理学は面白い:心身摩訶不思議論】というタイトルの講義ライブを11:50から実施!全部で266名の大学教授が講義ライブを実施するほか、本学を含む183大学が個別ガイダンスを実施します。詳しくは
 https://yumenavi.osaka(パソコン、スマホ、ケータイ共通)をご覧ください。

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