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講義No.09895

「形を与えて悩みを解決」する認知行動療法とは?

子どもの不安を解きほぐす

 不安は誰にでもある当たり前の感情です。その感情がほかの人たちと比べてとても強かったり、なかなか晴れなかったりして、日常の生活に支障をきたす場合、何らかの支援が必要です。支援が必要な不安のことを「不安症」と呼んでいます。そして、不安症の支援には「認知行動療法」が有効です。

自分の困っていることに形を与える

 人間の感情には形がありません。不安も手で捕まえることはできません。しかし主観的には確かに存在しています。認知行動療法では、困っていることに対して、「形を与える」努力をします。例えば、小さなミスをとても大きなものに感じてしまう場合、その傾向を児童では「おじゃまむし」などと名づけるのです。そして、子どもが心の中に飼っている「おじゃまむし」の声を小さくするにはどうしたらいいかと一緒に考えていきます。欧米と日本で比較してみると、こういったやり取りでの文化の違いがあることがわかります。欧米では正確な感情語で相手に伝えることが多いのですが、日本ではあいまいな表現を使うことがあります。そうした傾向をふまえ、子どもにとってピッタリくる言葉を使いながら支援していくことが大事なのです。

困難を乗り越えてしまえば変われる

 子どもが困難を乗り越えるうえで大切なこと、それは現実場面でのチャレンジです。鉄棒の逆上がりと同じように、実際の練習とその積み重ねは何よりも子どもの力になります。心理師は、不安な場面でのチャレンジを子どもと一緒に考えて、階段を上るようにスモールステップで取り組んでいきます。認知行動療法で子どもが自分の悩みを克服できると、まるでその悩みが最初からなかったかのようにふるまうことがあります。言い換えると、それはその子の考え方が変わった証拠です。ここまでくれば、その子は自分からいろいろなことにチャレンジできるようになるでしょう。認知行動療法では、子どもから感謝の言葉をもらうことはめざしません。子どもの自立性を支援することが最終的な目標になります。

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この学問が向いているかも 臨床児童心理学、学校臨床心理学

同志社大学
心理学部 心理学科 教授
石川 信一 先生

先生の著書
メッセージ

 どうせ学ぶなら、自分が面白いと思える分野を選んでほしいと思います。本気になって取り組めば、何かしらの「学ぶ意味」を得られるのが大学です。それが興味のあることであれば、よりよい学びにつながると思います。
 私の場合はそれが心理学でした。営業でもマネジメントでも、どんな仕事でも役立つのが心理学の面白いところです。さらに、2018年からは「公認心理師」という国家資格の認定が始まっています。高校生と同じように、「将来の伸びしろのある学問」、それが心理学だと思います。

先生の学問へのきっかけ

 高校生の頃に心理学に興味を持ち、大学は心理学を学べる学部に入学しました。実は、高校までに学んできた教科全般に興味が持てなかったのです。だったら触れたことのない学問を学びたいと思いましたが、心理学について具体的に何も知りませんでした。先入観がなくてかえって良かったかもしれません。大学で科学的な根拠に立って人を支援する認知行動療法に出合い、心理学がただ人間の心を知るだけではなく、人の役に立つことを知りました。目の前の人が前向きに変わっていく姿を見て、これこそが自分の学ぶべき学問だと感じました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

病院心理士/小学校教諭/大学研究員/公務員心理職/マスコミ/その他企業

研究室
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石川 信一 先生がいらっしゃる
同志社大学に関心を持ったら

 同志社の創立者新島襄は、1864年、日本の将来を憂い、国禁を犯して脱国、欧米で学び、帰国。そして、1875年、京都に前身となる同志社英学校を設立しました。現在、同志社大学の校地は2つあります。今出川校地は同志社大学の誕生の地であり、140年以上にわたる同志社の歴史を感じることができるキャンパスです。キャンパス内の5棟は国の重要文化財に指定されています。京田辺校地は緑豊かな自然に包まれ、79万m2という広大な敷地に最新の施設・設備を有し、現代建築の精緻さを誇る学舎が並んでいます。

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