夢ナビ夢ナビは、さまざまな言葉をデータベースから検索・閲覧し、将来の進路を決める“きっかけ”を提供します。

講義No.09892

数える楽しさと数学

最先端の研究を支える「代数」

 高度なコンピュータが先進的な分野だけでなく、私たちの生活を支える存在になろうとしています。情報科学についての研究は、実は2000年以上も前からたゆまず発展してきた数学が土台となっています。コンピュータは、素子の状態で0と1からなる数を表しますが、代数学の概念である有限体が利用されています。数のある性質を抽象した構造を扱うのが代数学であり、構造の持つ整合性や美しさを追求してきたのが数学です。数学を学ぶことによって、このような形式的な理論を操作するための論理的基礎が形成され、いろいろな問題の定式化や問題解決の能力を身につけることができます。

さらなる美しさを求めて

 「代数的組合せ論」は、群の表現論と関連の深いものです。数学では、具体的対象を調べる研究を組合せ論と言います。「群」というのは、数学で古来より使われてきた対称性を調べるための道具でしたが、次第に抽象化し「群論」と呼ばれるようになりました。群の表現論とは、理論物理学などで始まった概念で、群のベクトル空間への作用を調べることによって群を調べる理論です。数学は物理学などから発せられる疑問を解決することが多いのですが、一方で、数学的完璧性を求めて閉じた理論にすることも多いのです。具体的な群や表現を調べる研究が組合せ論になりますが、さらに美的完璧性を求めて発展したいろいろな問題を考察します。

論理的思考は国の将来につながる

 数学の理論を理解するためには、論理的思考を身につける必要があります。実験系の物理学や化学と異なり、数学の理論は、すべて論理の上に成り立ち、公理から始まり、論理を積み上げていくことで、理論が構成されます。時に難解で、実用的な側面が少ないと思われがちですが、現在の情報科学やAIなどは、実際のもの作りとは異なり、すべて、このような論理という数学を土台にコンピュータの中に作られた新しい世界です。現在では「国の力は数学によって決まる」と言われるほど、今後の技術革新に必要とされています。

数える楽しさ 群の表現と数え上げ組合せ論

夢ナビライブ2019 名古屋会場

アイコン

講義を視聴する(1分)

アイコン

講義を視聴する(1分 その2)

アイコン

講義を視聴する(1分 その3)

アイコン

講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 数学、代数学

岡山大学
理学部 数学科 教授
石川 雅雄 先生

メッセージ

 今、私は非常に深く数学に関わっていますが、高校生の頃は、学校で習う数学がそれほど得意ではありませんでした。ただ、受験生向けの雑誌に出題されていた数学の「おまけ問題」を解くのが好きで、そこから、自分で考えることの楽しさに目覚めていきました。
 何かの力を伸ばすには、好きなことにのめり込むのが一番の近道です。苦手科目の克服も大切ですが、高校生の今は得意なことをとことん突きつめて、あなただからこそ伸ばせる得意分野を見つけてください。どんな寄り道も必ずあなたの力になります。

先生の学問へのきっかけ

 受験に関する情報誌を読んでいて、つい巻末に掲載された「おもしろネタ」に夢中になってしまったことはありませんか? 私が数学に興味を持ったのも、受験雑誌に載っていた数学の「力だめし問題」が面白いと感じたことがきっかけでした。あなたは「数学って何の役に立つんだろう?」と思ったことがあるかもしれません。私も数学は世の中ですぐ役に立つ学問ではないと考えています。しかし、あなたの未来を大きく変えることになりそうなAIや人工知能を支えているのは、まさしくその「将来何の役に立つのかよくわからない」数学なのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

ソフトウェア関係/高校教師/保険金融関係など

大学アイコン
石川 雅雄 先生がいらっしゃる
岡山大学に関心を持ったら

 岡山大学は、これまでの高度な研究活動の成果を基礎として、学生が主体的に“知の創成”に参画し得る能力を涵養するとともに、学生同士や教職員との密接な対話や議論を通じて、個々人が豊かな人間性を醸成できるように支援し、国内外の幅広い分野において中核的に活躍し得る高い総合的能力と人格を備えた人材の育成を目的とした教育を行います。

TOPへもどる