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講義No.09883

ノロウイルスを退治できる薬はない!?

ノロウイルスは感染を繰り返す

 「ノロウイルスによる集団食中毒が発生」。冬になると、毎年このようなニュースを耳にします。なぜノロウイルスは毎年流行するのでしょうか。
 一般的にウイルス感染症は、一度かかると身体の中に抗体(免疫)が作られ、再び同じウイルスが侵入してきても、感染を防ぐことができます。ところがノロウイルスは進化が早く、遺伝子型がたくさんあるので、過去に感染した型の抗体を持っていても翌年に別の型が流行すれば、また感染する可能性があります。
 さらに、ノロウイルスは感染力がとても強く、約100個のウイルスで胃腸炎を引きおこします。感染者の便1グラム中には100万~1兆個のウイルスが含まれているため、この1グラムの便で新たに10億人の感染者を生み出すことが可能となるのです。こうした感染性の強さが集団感染や大流行の一因となっています。

ノロウイルスの家系を探る

 ウイルス遺伝子を詳細に解析すると、ウイルスの家系図を作ることができます。現在、ヒトに感染しているノロウイルスの先祖は、ウシやブタなどほかの動物に感染していたウイルスと同じで、その分岐年は今から千年以上前であると考えられます。ヒトはとても長い間このウイルスによる胃腸炎に悩まされてきたということです。
 ウイルスの祖先が明らかになると、ワクチン開発や流行の予測など、感染予防の対策を打つことが可能になるのです。

ノロウイルス対策には「手洗い」が基本

 今のところ、体内でノロウイルスの増殖を抑えたり、感染を予防する薬はありません。ノロウイルスから身を守るには感染経路を断つことが大事です。
 ノロウイルスに感染しにくい方法として、最も有効な手段は「手洗い」です。石鹸には殺菌効果はありませんし、アルコール消毒もノロウイルスには効きません。しかし、きちんと「手洗い」を行い、汚れを落とすことによってウイルスを手指から落とす効果があります。ノロウイルス感染の予防には、手洗いを励行し、手指の衛生を保つという基本的な行動を厳守することが何よりも大事なのです。

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この学問が向いているかも 微生物学、感染症学、生体防御学

群馬パース大学
保健科学部 検査技術学科 教授
木村 博一 先生

メッセージ

 現在の医学研究は、基礎生物学のみならず、コンピュータサイエンスなど、あらゆる科学知識・技術を結集して取り組む集約的な自然科学の研究分野(システムバイオロジー)であるといえます。私の研究室にも、臨床検査技師、獣医師、薬剤師や内科医・小児科医などの資格を持つ研究者がおり、さまざまな分野の視点からアプローチする実践的な医学研究を行っています。このような考えを基にした研究に興味を持っているなら、ぜひ私たちの研究室の扉をたたいてみてください。

先生の学問へのきっかけ

 感染症の研究者となった理由の一つは、子どもの頃から野口英世や北里柴三郎などの偉人に憧れていたこと、そしてもう一つは、幼少期にかかったはしかが重症化した経験です。はしかという病気の怖さを実感し、その原因解明ができたらいいと考えるようになったのです。臨床検査技師になった私は、医療現場に勤務しつつ、大学の医学部で研究に携わりました。その後、工学部に入り直し、大学院の博士課程まで修了します。現在の医療に対応するには、基礎の科学理論を使って生命現象を解析するという生物工学系の知識が必要だと考えたからです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

病院・臨床検査技師/婦人科・臨床エンブリオロジスト(肺培養士)/保健所、健診センター・研究員/科学捜査研究所・鑑定業務員/医療機器メーカー・アプリケーショントレーナー/製薬メーカー・MR(医薬情報担当者)/医薬品メーカー・CRC(治験コーディネーター)/食品衛生センター・検査員/大学教員

研究室
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木村 博一 先生がいらっしゃる
群馬パース大学に関心を持ったら

 10月5日(土)に夢メッセみやぎで開催される大学研究&学問発見のための国公私立大 合同進学ガイダンス「夢ナビライブ2019仙台会場」で、木村 博一先生が【ノロウイルスを退治できる薬はない!?】というタイトルの講義ライブを13:30から実施! 全部で140名の大学教授が講義ライブを実施するほか、本学を含む118大学が個別ガイダンスを実施します。詳しくは
 https://yumenavi.info/live/sendai/をご覧ください。

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