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講義No.09875

AIがスポーツコーチになる日も近い!

第3次AIブームの鍵は「ディープラーニング」

 実はAI(人工知能)の歴史は古く、初めて提唱されたのは1950年代後半でした。第2次のブームが訪れた1990年前後には、人間らしさや人間的な感性をコンピュータに実装する試みが行われ、「ファジィ」や「ニューロ」理論を応用した家電が登場しました。そして2015年頃から第3次といわれるブームが盛り上がりを見せていますが、その立役者は「ディープラーニング(深層学習)」と呼ばれる技術です。

人間のように思考を深化させるAI

 ディープラーニングは、人間の脳の生物学的な仕組みをソフトウェアで再現しようとする「ニューラルネットワーク」というシステムをベースに、膨大なデータから知識を獲得する「機械学習」の仕組みによって、人間が自然に行う決定や思考、認識をコンピュータで実現しています。人間の脳の神経細胞の仕組みを模したニューロンを多層的に重ねたニューラルネットワークを深く学習して、膨大なデータの特徴を獲得できるのがディープラーニングの強みです。囲碁の世界チャンピオンに勝ったディープラーニングのAIアルゴリズムは、大量の対戦データから勝つための戦略を自己学習し、試合中のあらゆる局面で取りうる「手」を評価して予測し、瞬時に最も有効な指し手を選択しています。

AIがスポーツコーチになる

 同様に、対戦スポーツで、AIアルゴリズムが相手の動きから勝つための戦略を瞬時に立て、次の有効な攻撃を選手にコーチングすることも夢ではありません。卓球を例にとると、過去の試合動画からボールの軌跡や回転、選手の動きなどの大量のデータを抽出し、AIアルゴリズムがそれらのデータを知識化して、相手の攻撃を予測した上で「勝ち」パターンを導き出すことができます。また、選手の能力を引き出してくれるAIコーチング型ロボットを作ることも可能です。人間の脳のさまざまな有効的な仕組みをプログラムで実現する脳知能モデルの進化は、これからの社会を大きく変えていくでしょう。

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この学問が向いているかも 脳工学、知能情報学

関西大学
総合情報学部 総合情報学科 教授
林 勲 先生

メッセージ

 好きなことをしていて壁にぶつかったとき、どうしたらうまくいくかを考える前に、「すぐできる方法」を他人に聞いたり、ネットで探したりしていませんか。そんなことをしているうちは、まだそのことを本当に「ワクワク」してやってはいません。
 例えば、念願のサッカーボールを買ってもらった子どもは、真っ先に自分でボールをけるでしょう? ボールをけりながら、うまいけり方を自分で体得します。何か熱中できることを見つけて、自分でトライ&エラーを繰り返しましょう。そうして手にした自分だけの解決法が、必ず未来の力になります。

先生の学問へのきっかけ

 私の専門はAI(人工知能)の分野で、ファジィやニューラルネットワーク、ディープラーニングなどの知能情報学です。子どもの頃、ノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹博士に憧れて物理学者になると決め、やりたい分野を学ぶにはどこの大学の何学部のどの先生に学べばいいかまで考え、膨大な大学のカリキュラムを調べました。大学ではコンピュータの可能性に気づいて没頭しましたが、実は映画も大好きでシナリオライターの道も考えたほどです。興味があることへのフットワークの軽さと、さまざまなことへの探究心が研究のエネルギーです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

大学教員/電機企業研究員/IT企業研究員/自動車企業研究員/データサイエンティスト

研究室
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林 勲 先生がいらっしゃる
関西大学に関心を持ったら

 1886年、「関西法律学校」として開学した関西大学。商都・大阪に立地する大学らしく、学理と実際との調和を意味する「学の実化」を教育理念に掲げています。2010年4月には、JR高槻駅前の高槻ミューズキャンパスと、大阪第2の政令指定都市である堺市の堺キャンパスと、2つの都市型キャンパスを開設。安全・安心をデザインできる社会貢献型の人材を育成する「社会安全学部<高槻ミューズキャンパス>」、スポーツと健康、福祉と健康を総合的に学ぶ「人間健康学部<堺キャンパス>」を開設しました。

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