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講義No.09873

エシカルファッションで途上国の労働環境や環境汚染を改善する!

ファストファッションの裏にある真実

 あなたは何を基準に服を買いますか。形や色、素材、それとも価格でしょうか。今は、安価でしかも流行のデザインを取り入れた「ファストファッション」が、世の中にあふれています。なぜ、安くて見た目もよい服が作れるのでしょうか。実は、これらの服は、安い賃金で多くの労働者を集められる開発途上国で生産されています。そしてそこでは、さまざまな問題が起きています。

引き起こされた災害

 2013年、バングラデシュの首都ダッカで、縫製(ほうせい)工場が入った8階建ての商業ビルが崩れる事故がありました。死者1100人以上、負傷者は2500人以上に上る大事故でした。朝出勤した従業員らがミシンなどを起動した際に、大型発電機の振動と合わさって建物を揺らしたことが原因だと言われています。違法に増築されたビルは、以前から危険性が指摘されていましたが、工場の管理者は、それでも従業員を働かせていました。
 ファッションをめぐっては、このような労働問題だけでなく、生産過程での環境汚染の問題もあります。見た目も鮮やかな色合いを出すために、毒性のある染料が使われることもあるのです。

どうすれば世界が安全になるのか?

 どうすれば、服の生産現場での労働環境を改善し、環境汚染を少なくできるでしょうか? それには、アパレル企業はもちろん、消費者も意識や行動を変えることが必要です。バングラデシュの事故後、世界中のアパレル企業が生産現場での安全性を確保する協定に署名し、縫製工場の安全検査が行われるようになりました。
 また、近年、労働者の安全に配慮し、かつ生産工程の環境負荷を抑えるなどして作られた「エシカルファッション」が注目されています。ファストファッションに比べると価格は高いですが、生産する労働者には適正な賃金が支払われ、環境に優しい素材が使われています。簡単なことではありませんが、世界中の人々が協調して行動することが、安全につながるのです。

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この学問が向いているかも 社会安全学、環境経済学

関西大学
社会安全学部 安全マネジメント学科 准教授
桑名 謹三 先生

メッセージ

 物事について調べるとき、ウェブで検索することが多いでしょう。それも一つの方法ですが、得られた情報がすべて真実だとは限りません。誰かが言っていたことや、ウェブの情報をそのままうのみにはせず、まず疑ってみましょう。自分で頭を使って考えないと、将来仕事をするときにAI(人工知能)に対抗できなくなってしまいます。
 すでにあるデータをコピーしてほかの場所に移動することはAIの方が得意ですし、一度に処理できる量は人間よりも圧倒的に多いですが、頭を使って考えれば、人間はAIには負けません。

先生の学問へのきっかけ

 ファッションが大好きでしたが、大学卒業後、大手損害保険会社に就職しました。そこで企業向けの保険の企画開発をしていましたが、40代で心機一転、かねてから興味があった、社会における人間の行動や、環境との関係を研究する環境社会学を学ぼうと大学に入り直します。しかし、環境社会学を究めるには時間が足りないと考え、数字を扱うのが得意だったことから、環境経済学の道に進みます。現在は、長年民間企業で働いてきた経験を生かしながら、改めてファッション業界における環境問題への取り組みと、経済との関係を研究しています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

金融・保険業

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桑名 謹三 先生がいらっしゃる
関西大学に関心を持ったら

 1886年、「関西法律学校」として開学した関西大学。商都・大阪に立地する大学らしく、学理と実際との調和を意味する「学の実化」を教育理念に掲げています。2010年4月には、JR高槻駅前の高槻ミューズキャンパスと、大阪第2の政令指定都市である堺市の堺キャンパスと、2つの都市型キャンパスを開設。安全・安心をデザインできる社会貢献型の人材を育成する「社会安全学部<高槻ミューズキャンパス>」、スポーツと健康、福祉と健康を総合的に学ぶ「人間健康学部<堺キャンパス>」を開設しました。

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