夢ナビ夢ナビは、さまざまな言葉をデータベースから検索・閲覧し、将来の進路を決める“きっかけ”を提供します。

講義No.09868

姿勢を整えると心も整う? ~体と心のつながり~

体と心は結びついている?

 「胸が踊る」「腸(はらわた)が煮えくり返る」といった「からだ言葉」を知っているでしょうか。このような「体と心は結びついている」という考えが、日本文化には存在します。例えば、授業中にうつむいていたり、肘をついていたりすると「姿勢を正しなさい」と注意されることがあります。これも、姿勢という「体」の状態を変えることで、授業への集中力という「心」の状態を整えようという考えがベースになっています。このように、体(動き)が心に及ぼす影響を研究する学問が身体心理学です。

姿勢を正す椅子を使った実験

 身体心理学では、呼吸や歩行、姿勢などを対象とした研究が行われています。この姿勢研究の一環として、「立腰椅子(春木チェア)」という特殊な椅子(座ると自然に骨盤がまっすぐになるように設計)を使って姿勢を正すと、どのような効果がみられるのか実験が行われました。大学生に、立腰椅子と通常椅子それぞれに座った状態で授業を受けてもらったところ、立腰椅子の方が、授業中の気分が良く、授業を楽しいと感じることが明らかになりました。「姿勢が良くなり落ち着いて授業を受けることができた」、「リラックスしつつ集中した状態だった」などの感想も得られました。改善の余地を多く残す実験ではあるものの、姿勢を正すことで、授業により集中できる心の状態がもたらされる可能性が示されました。

体と心のつながりを見直す

 近年の学校教育では、何かを学ぶ際には「頭の働き」に主眼が置かれ、「体」はせいぜい(鍛える対象として)体育で扱われることが一般的でした。しかし、本来、体と心は不可分です。実際、道徳的な思考、創造性、他者と気持ちを重ね合わせることにも身体の感覚や動きが影響しますし、先生(教師)が子どもたちに接し何かを伝える際、どのような体の使い方をするかで、先生と子どもの関係性も変わってきます。体と心を切り離して考えるのではなく、そのつながりを見直すことによって、教育の質を高めるヒントが得られるかもしれません。

アイコン

講義を視聴する(1分)

アイコン

講義を視聴する(1分 その2)

アイコン

講義を視聴する(1分 その3)

アイコン

講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 身体心理学、教育学

桃山学院教育大学
人間教育学部 人間教育学科 ※2020年4月教育学部 教育学科から名称変更 講師
村上 祐介 先生

先生の著書
メッセージ

 先生や友だちに恵まれ充実した高校生活を送る人ばかりではありません。繰り返される毎日に意味を見出せず、漠然とした閉塞感を抱き、「人生はつまらない」と思う人もいるでしょう。でも、どうにか前を向いて、少しでも胸が踊ることにアンテナを張り続けていてください。いつか、「自分は何者なのか」、「どう生きていけばよいか」を考えることを助けてくれる「良き師」と出会える日が来るでしょう。大学受験に向けた勉強は大変だと思いますが、大学進学の先にある出会いに期待し、勉強に励んでください。

先生の学問へのきっかけ

 人の心の成長を、身体、心に抱える影、文化、神仏などの超越的存在との関係も含めて統合的にとらえ、教育でどう扱うかについて強い関心を抱いています。大学では教育心理学を学び、大学院では、人が自らの生き方を考えることが、探究心や学習意欲、進路意識に及ぼす影響について研究してきました。最近では、マインドフルネス瞑想と姿勢教育を組み合わせ、身体への働きかけで人の意識にいかに接近できるかという研究に着手しています。目に見える身体との関係を通して、目に見えない心を探究する点に、研究者としての醍醐味を感じます。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

小学校教員/介護福祉職員/医薬品会社販売員/大学院生

大学アイコン
村上 祐介 先生がいらっしゃる
桃山学院教育大学に関心を持ったら

 桃山学院教育大学は、桃山学院の2つ目の大学、全国的にも希少な「私立の教育大学」として、2018年4月から歩み始めました。
 桃山学院は、キリスト教精神に基づき、1884年に三一小学校、1890年に高等英学校、1902年には大阪初の私立中学校を開校しました。また、1959年には桃山学院大学を開学し、国内外で多様な教育機関と連携し、ネットワークを広げてきた伝統と実績を誇る大学です。
 新たな価値観を身につけ、人としての豊かな感受性を持つ、そのような力をつけることができる学びが、ここにはあります。

TOPへもどる