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講義No.09867

国際政治学が明らかにする、国家間の争いを複雑にする3つの原因とは?

国と国の争いを止めるのは難しい

 世界では多くの争いが起こっていて、国と国との間にもたくさんの国際的な対立が発生しています。国家間の対立は解決が非常に難しいのですが、その原因は主に次の3点に要約されます。1つ目は、世界政府や世界警察のような、一定の権力を持って国と国との争いを止める公権力が存在しないことです。そのため、自国の安全は自国で守らなければならないのが現実で、武力を捨てることが難しいのです。憲法で戦争を放棄している日本にも自衛隊があり、永世中立国であるスイスでさえも、自国を守るための軍隊を保持しています。

国家間の衝突が政治に利用される

 2つ目の原因は、国家間の裁判が難しいことです。限定的に裁判が行われることはありますが、自国の利益に直結するような重要な問題は避けられることが一般的です。3つ目の原因は、他国との争いが自国民を団結させたり、国内の政治に利用されたりすることです。例えば国内に失業問題が起こっている場合に、あえて他国への敵意をあおって国民の意識を問題からそらせ、愛国心を喚起して支持を得るというやり方です。国際問題が複雑になり、かつ長引く傾向にあるのは、こうした政治のあり方が大きく関係しています。

偏りなく世界を見るために

 3つ目に挙げた政治手法は、「ポピュリズム」と呼ばれています。ポピュリズムとは、敵と味方を明確に区別する政治的な姿勢です。「今の官僚やエリートは国民を守らない、だから私が守ります」という論理が典型的です。その代表として、アメリカのトランプ大統領が挙げられます。近年では欧米を中心に、国際的な協調や他国との関係性を否定し、自国の利益を優先すべきとする政治家が一定の支持を集め、移民排斥も盛んに訴えられます。しかし、「移民は危険」「隣国は敵」という単純化されたイメージは偏ったものです。こうした時代にこそ、国際的な衝突を学術的に研究する国際政治学の知見が、偏見のない目で世界を見る手がかりになるのです。

どうして国家間の対立はこじれてしまうのか

夢ナビライブ2019 大阪会場

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どうして国家間の対立はこじれるのか

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国連は世界政府か?

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「対立」の政治的利用とは

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講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 国際政治学

桃山学院大学
法学部 法律学科 准教授
塚田 鉄也 先生

先生の著書
メッセージ

 高校生にとって、大学受験のための勉強も大切ですが、なるべくテレビやインターネットでニュースを見る機会を多く持つようにしてください。なぜなら、自分の周りの狭い世界の出来事だけでなく、広い世界に目を向けるひとつのきっかけになるからです。
 新聞が読めればなお良いのですが、まずは決まったニュース番組を見るようにするなど、できる範囲のことからでもかまいません。その中で自然と自分が気になるテーマや分野が出てきて、それが将来、大学で勉強したいことにもつながっていきます。

先生の学問へのきっかけ

 私が国際政治に興味を持ったのは、高校時代にニュースで見た旧ユーゴスラビアの紛争の映像がきっかけです。場面は現地の小学校で、一見するとのどかな映像でしたが、若い教師が対立する民族への敵意をあおり、子どもたちは彼らを悪役に対するかのようにののしっていたのです。それを見て以来、集団同士で起こる衝突はなぜ発生し、どうすれば解決できるのかと興味を抱き、大学院に進んで国際問題を研究してきました。国家間の問題ならではの難しさや、争いが長引く背景を理解することこそ、国際的な関係性を冷静に見ることにつながります。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

国家公務員/警察官/消防官/自衛官

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塚田 鉄也 先生がいらっしゃる
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 大学4年間は、実社会で活躍する前の最終教育期間です。実社会で問われるのは、解決すべき課題を見出し、その課題を具体的に解き、そして実行する力です。この課題解決と実行のためには物事の本質を見抜く力を自らが獲得していかなければなりません。
 桃山学院大学は「自ら学ぶ力」をはぐぐむ大学。勉学、クラブ活動、ボランティア活動、海外研修、キャリア支援など、学生が自身の能力を自覚し、4年間で磨き上げていくための環境整備に力を入れています。
 みなさんも桃山学院大学で「自ら学ぶ力」を身につけませんか。

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