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講義No.09856

税金はみんなの共通の財布~みんなが納得できる税負担とは?~

税金の集め方や使い方を考える「財政学」

 ノートが欲しいとき、100円払えば100円のノートが手に入ります。ところが税金の場合、100円出したからといって100円分の行政サービスが手に入るわけではありません。そこが、普通の経済活動と税金との根本的な違いです。
 「みんなからお金を集めて、みんなで使うものを買う」、それが税金の本質です。所得税や消費税などで集めた税金を、公共事業や社会保障などに使います。税金をどう集め、どう使えば国民は納得できるのかを、経済、政治、歴史など、複合的な視点で研究していくのが「財政学」です。

その税金、納得感ありますか?

 税金には納得感が不可欠です。例えば消費税は、収入のない子どもや年金生活者も払うことになります。その一方で、特定の業種に重い税をかけたり逆に免除したりといった、負担の仕方にもさまざまな工夫がされています。地方の高速道路や文化施設など、経済的に損失が出ても政治的、文化的に必要な場合もあります。
 しかしガソリン税を引き上げて暴動が起こった国もあり、社会的に必要な税金であっても納得感を得るのは容易ではありません。日本では膨らむ社会保障費の財源として消費税率のアップが議論されていますが、増税には国民の抵抗感が強いため、財政赤字が膨らむ一方です。

税に対するスウェーデンと日本の意識の違い

 税率が高いにもかかわらず納得感が高い国もあります。国際的な価値観調査(ISSP)によると、スウェーデンの国民は「税金は共通の貯金で、いつでも必要なときに必要なサービスを受けられるから、税率が高くてもいい」という意識を持っています。一方、日本では税に対する不満や不公平感が強いのが現状です。
 「ふるさと納税」も、地方を応援するのではなく、返礼品が目当てというおかしなことになってしまいました。政治・経済・歴史など、複雑な要因が絡み合う中で、今の日本でどのような税のあり方がふさわしいのかが研究されています。

ふるさと納税が日本を滅ぼすシンプルな理由

夢ナビライブ2019 大阪会場

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負担と信頼の関係

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貯金と税金の違い

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ふるさと納税の大きな問題

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講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 財政学、経済学

桃山学院大学
経済学部 経済学科 准教授
吉弘 憲介 先生

メッセージ

 財政学は、ひとつの物差しできれいに説明できる学問ではありません。経済の視点では正しいことが、政治から見たらおかしいなど、本当にモヤモヤするのですが、そもそも世の中は複雑なものです。経済的に正しいことと政治的に正しいこと、仕事の視点で正しいことと教育の視点で正しいことなど、財政学のアプローチでは、いろいろな要素を複合的に考えていきます。
 多様なものの見方を知り、今自分がどんな色のメガネで世の中を見ているのか、客観的に気づける力を身につけましょう。

先生の学問へのきっかけ

 大学時代、一番熱心に聴いたのは、今まさに動いている政策を取り上げて批判を加えるという熱い講義でした。もともと日本社会のあり方に興味があり、その講義の担当教授に魅かれて「財政学」の道に進みました。「神の見えざる手」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、これは「一人ひとりが自由に経済活動をしたら、自然と市場が調和して、みんなが幸せになる」という経済理論です。ただし、この理論は「倫理観がなくなり道徳が破壊されるとマーケット自体が崩壊する」という前提つきです。経済にも倫理や道徳が必要なのです。

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吉弘 憲介 先生がいらっしゃる
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 大学4年間は、実社会で活躍する前の最終教育期間です。実社会で問われるのは、解決すべき課題を見出し、その課題を具体的に解き、そして実行する力です。この課題解決と実行のためには物事の本質を見抜く力を自らが獲得していかなければなりません。
 桃山学院大学は「自ら学ぶ力」をはぐぐむ大学。勉学、クラブ活動、ボランティア活動、海外研修、キャリア支援など、学生が自身の能力を自覚し、4年間で磨き上げていくための環境整備に力を入れています。
 みなさんも桃山学院大学で「自ら学ぶ力」を身につけませんか。

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