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講義No.09853

建築物を基軸に、経営という視点で「地域の将来」をデザインする

「まちづくり」をデザインする

 「デザイン」という言葉を聞いて、あなたはどんな行為をイメージしますか。洋服などファッション系はもちろん、芸術系、建築系、工業製品系など、あらゆる分野の「モノ」になんらかのデザインが施されています。デザインの目的も、美しく見せるため、居心地を良くするため、使いやすくするためなど、さまざまです。
 モノばかりではなく、自分たちが暮らしている地域をより良い方向へ向かわせる「まちづくり」も、大きな意味でデザインの一つです。建物を基軸としながら、まちのあり方を考える「地域デザイン」が、建設社会工学の一分野として研究されています。

必要な地域経営という視点

 「空き家・空きビル」の急増が、社会問題化しています。改築して宿泊施設にするなど、いろいろな取り組みが行われていますが、失敗例も少なくありません。改築コストに対して利益が少なすぎたり、地理的に集客が難しかったりと原因はさまざまですが、失敗事例の多くに、「地域経営」という視点の欠如が見られます。
 家やビルなどの建物は、その地域の「資産」です。企業経営で、どんな資産をどのように使うかが経営を左右するポイントであるように、地域にとっての資産である空き家・空きビルなどの活用法を模索することが必要なのです。

「まちづくり」の総合的なマネジメント

 建物を再活用する際、そこのオーナーはどういう活用法を望んでいるか、その地域にはどんなニーズがあるか、どんな業態で、どの程度の投資なら経営が成り立つのか、そのためにどのような改築作業が必要かなどの要素を、総合的にマネジメントしなければなりません。
 例えば、高齢化が進んでいる地域の空きビルを、最小限のコストでお年寄りのための憩いの施設にリノベーションし、働くスタッフとして若い人々を集められれば、関係するすべての人にとっても、その地域にとっても良好な再活用法になるはずです。そうした総合マネジメントも、地域デザインの研究要素なのです。


この学問が向いているかも 地域デザイン学、建設社会工学

九州工業大学
工学部 建設社会工学科 准教授
德田 光弘 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 旅行は好きですか。高校生のうちは、「ふらりと一人旅」は難しいかもしれませんが、休日を利用して行ったことのないまちまで出かけてみませんか。そして、知らない地域の人たちと積極的におしゃべりして、さまざまなことを五感で感じてください。
 将来、なんらかの形で「まちづくり」の仕事に関わりたいと考えているのなら、自分一人の狭い考えにとらわれず、より多くの人や地域の価値観を知っておくことが大切です。これは、あらゆる学問に通じることです。いろいろな地域の人々の、異なる価値観に触れてみましょう。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃から絵を描くのが得意でしたが、芸術家をめざすほど没頭していたわけではなかったので、進路選択では大いに迷いました。悩んだ末、大学で「環境設計学」を学ぶことにしました。大学入学後、アルゼンチンに一人旅をします。1カ月ほどの滞在中、日本では当たり前だと思っていた価値観が現地では当たり前でなかったり、英語がほとんど通じなかったりしたことで、異文化に触れる楽しさにはまりました。以来、いろいろな国や地域を訪れ、そこでの異文化体験が、現在の専門分野である「地域デザイン」でも生かされています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

ゼネコン施工管理/インフラ系会社建築不動産企画/建築事務所設計/コンサルタント企画/不動産企画運営/官公庁建築都市計画/ハウスメーカー設計/商社マーケティング

大学アイコン
德田 光弘 先生がいらっしゃる
九州工業大学に関心を持ったら

 九州工業大学は前身である明治専門学校の開校(1909年)以来、「技術に堪能(かんのう)なる士君子」の養成を教育理念に掲げ、品格と創造性を有した高度技術者・先導的研究者を育成しています。工学部・大学院工学府では学生フォーミュラー大会出場や有翼ロケット打上げ実験、小型人工衛星開発などの学生課外活動が盛んで、PBLなどの講義とあわせて実践力・応用力の強化に力を入れています。また国際交流協定校や海外インターンシップへの派遣を通じてグローバル人材育成にも注力しており、非常に高い就職率に結びついています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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