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講義No.09839

「運動」を数値化して、客観的に見る!

動きを分析するスポーツバイオメカニクス

 「走る」ことは、子どもの頃から自然に行っている動作です。だからこそ、より速く走りたいと思ったときに、どのような動きが速く走れる動きなのか、意外とわかっていないものです。
 運動する人の動きをビデオなどで撮影し、その映像をコンピュータ上で解析して数値化し、運動のメカニズムを明らかにする「スポーツバイオメカニクス」という学問があります。パフォーマンスの高い選手やそうでない選手など、さまざまな比較対象を作りながら人の動きについて考え、良い動きを考える「動きの分析」をすることで、運動指導のポイントがわかっていきます。

「走る」を数値に置き換えてみる

 スポーツは運動が得意な人だけのものではありません。特に教師は、子どもに運動の楽しさや体を動かす喜びを感じてもらえる場を創造するのが重要な使命の一つです。
 例えば陸上100m競技の世界トップ選手のパフォーマンスがどれほどのものか、数値に置き換えてみましょう。彼らは100mを40歩台で駆け抜けます。つまり、1歩あたりの歩幅は約2.0~2.5mものかなりの歩幅になります。そしてその歩幅で1秒間に約4~5歩も進んでいきます。このような数値化した運動を取り入れた授業を創造できるでしょうか。運動を数値化し、理解を深めることができると、子どもへの教え方が変わります。

運動を客観的に見る意味

 動きを数値に置き換えることで、運動を感覚でとらえるだけでなく、運動を「見る」ことができるようになります。さらに、さまざまな運動の分析では、体育以外の物理の法則を利用して考えることができます。ニュートンの方程式で「F=ma」という運動方程式があります。これを走る分析に利用すると、Fは人が地面を押すことによる反力、mは体重、aは人の加速度と考えることができます。走る際の加速度を大きくするためにどうするか、一見、体育とは無関係のような物理学の分野の学びが、実は運動と深く結びついています。知識が増えると、運動に対する考え方や指導の幅が広がります。

走る指導を深める動作分析からのアプローチ

夢ナビライブ2019 大阪会場

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ピッチの映像分析

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腿上げのデータを分析

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子供の疾走動作を分析

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講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも スポーツ科学、教育学、体育学

京都教育大学
教育学部 体育学科 准教授
小山 宏之 先生

メッセージ

 「運動」を、ただ自分が走ったり跳んだりするだけの動作としてとらえるのではなく、客観的に見る、そして分析することも大切です。そのような見方や思考を身につけることは、より深い運動の楽しさの理解につながります。また運動は数学的、物理学的な方面からとらえることもできます。物理で習う力学が、まさに運動を物理の法則で分析する考え方です。
 教員として、子どもたちをより高いレベルに導いていくには、運動のメカニズムを知ることが必要です。運動を客観的に見るという、新たな視点を一緒に探っていきましょう。

先生の学問へのきっかけ

 幼い頃から多くのスポーツに親しむ活発な少年でした。ある時から陸上競技にのめり込み、中学生から走り幅跳びを本格的に始めます。私はいつも「もっとスピードを速めて、より遠くに跳びたい」と考え、多くの選手の動きを映像で観察していました。おかげで、高校時代は全国トップクラスの成績でした。しかし大学時代は記録が伸び悩み、その時に出合ったのが「動作を数値化し、客観的に評価する」学問でした。選手時代に体の感覚を重視していた私にとって、その考え方が新鮮で面白く、もっと深く知りたいと思い研究を続けています。

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小山 宏之 先生がいらっしゃる
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 京都教育大学は、優れた教員を養成するため、教科と教職に関する知識と技能、それらを基盤として教育実践のさまざまな課題に対処するための思考力・判断力・表現力などの能力を育成し、教育の現場において主体的に仲間と協働して課題を解決しようとする態度を養います。このような教育と学生一人ひとりへのきめ細かい指導を通して、子どもの成長する過程に関わることに大きな喜びを感じ、人間の成長と社会の発展における教育の役割を理解して、自ら研鑽を続ける教員を養成します。

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