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講義No.09837

ハスの葉やホウセンカ、高度な自然の機能を光応答性物質で再現!

ハスの葉と同じ機能を光応答性物質で再現

 ハスの葉に少量の水を落とすと、丸みのある水滴になって葉の表面を飛び跳ねます。葉の表面には微細な突起がびっしりと並んでいるので、水滴が突起と接触すると、表面張力によってはじかれるからです。
 この凸凹構造は「ダブルラフネス構造」と呼ばれ、ジアリールエテンという光応答材料で人工的に再現できました。ジアリールエテンに紫外光を当てると赤や青の分子に変換し、これらが集まってハスの葉の突起のようなミクロンサイズの針状結晶が表面にでき、水をはじく超撥水性(ちょうはっすいせい)が発現します。可視光を当てると無色の分子に戻り、針状結晶も消失します。

自らはじけ散る機能も

 光で色変化現象を示す「フォトクロミック化合物」であるジアリールエテン分子を用いて、光や温度の影響で結晶が成長し、色や表面構造が変化する「光応答性機能膜」を作成できます。これは、表面の濡れ性や細胞接着性を制御する光機能システムへの応用が期待されます。
 この分子を利用した別の研究もあります。ジアリールエテン分子の一部の五角形の環を六角形に変えると、結晶が四角い筒状に成長し、これに紫外光を当てると、結晶が割れてはじけ散ることがわかりました。中に物を入れるとホウセンカの種飛ばしのような性質を示します。これに芳香剤を詰めると照明に反応して香り成分を放出したり、中に医薬品を入れて投薬し、人体の目的の場所で結晶を割って薬効を得ることも可能になるでしょう。

応用研究で機能性をアップ

 最新の研究では、光の照射時間などに改良を加え、水滴を15cm上から落としても水をはじくような研究が進められています。15cmの高さから水を落としたときの衝撃は、実際の雨粒が落ちるときの衝撃とほぼ同等であることから、ハスの葉のもつ機能により近づいていくと言えます。
 また、ホウセンカを模倣した研究も進展を見せており、筒状であった結晶をカプセル状にする試みがなされています。成功すればより密閉性が高まり、産業面へのさらなる応用が期待できます。

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この学問が向いているかも 有機機能材料化学

龍谷大学
先端理工学部 ※2020年4月開設予定(設置届出中)  教授
内田 欣吾 先生

先生の著書
メッセージ

 研究の世界では、表に出てくる結果の裏側に膨大なデータ解析や数式計算があります。こうした地道な作業を繰り返していく姿勢が大切です。また、研究者にとって自然への理解も不可欠です。私がハスの葉がもつ超撥水性(ちょうはっすいせい)に着目したのは、実際にハスの葉を見に行ったことがきっかけです。つまり、研究は自然の延長線上にあるのです。
 自然と同じ高度な機能を再現することは難しく、苦労する面もありますが、人間にはなかなかまねのできない自然のすごみを理解できることがこの研究の魅力です。

先生の学問へのきっかけ

 自然界の動植物の構造からヒントを得て、新しい素材を開発する研究をしています。例えば、ハスの葉の撥水性能や、カタツムリの殻の保湿性能を、光に反応する物質を使って再現し、新たな工学的機能性を作り出す研究です。2006年に私の研究室の学生が、ある材料に光を当てると水をはじく性質を発現させたことをきっかけに、ハスの葉の構造を再現する研究をスタートし、数多くの論文を学会や科学雑誌で発表するなど、活発な研究活動を続けています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

国立大学教授/国立研究機関研究員/繊維メーカー研究員/化粧品メーカー研究員/高校教員

研究室
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内田 欣吾 先生がいらっしゃる
龍谷大学に関心を持ったら

 7月24日(水)にインテックス大阪で開催される大学研究&学問発見のための国公私立大 合同進学ガイダンス「夢ナビライブ2019大阪会場」で、内田欣吾先生が【ハスの葉やホウセンカから学ぶものづくり】というタイトルの講義ライブを13:30から実施!全部で266名の大学教授が講義ライブを実施するほか、本学を含む183大学が個別ガイダンスを実施します。詳しくは
 https://yumenavi.osaka(パソコン、スマホ、ケータイ共通)をご覧ください。

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