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講義No.09807

21世紀の「観光」は、あらゆる問題解決への糸口になる!

「観光」は、21世紀の重要な現象

 世界の70億人のうち、20億人近くが国際観光する時代が近づいています。訪日外国人は2018年に中国から800万、韓国から700万人を超えていますが、これほどの外国人が日本を再発見するのは、明治時代の「開国」と同じインパクトがあります。日本はより主体的に、観光でビジネスや国際交流を行う仕組みを作らなければなりません。
 幸い、観光業は宿泊業や旅行業以外でも、少しのアイデアでイノベーションを起こせる分野です。観光と異業種を結びつけ、さらにビジネスとして発展させるのです。そこには語学堪能な人材も不可欠です。

地域の特色を生かす具体的な取り組み

 例えば兵庫県の城崎(きのさき)温泉では、志賀直哉来湯100年を機に湊(みなと)かなえさんら著名な作家に書籍の執筆を依頼し、城崎のみで販売する企画を実施しました。それがお客さんに足を運んでもらうきっかけになります。また和歌山県の高野山では、夜に奥之院を歩くガイドツアーを僧侶が企画、実施しました。ほかにも農業や漁業を組み合わせたツアーや、アニメの舞台を巡るツアー、サイクリングで巡るヘルスウェルネスツアー、軍艦島など廃墟スポットを周るダークツーリズムなど、アイデア次第で各地域にあるものが観光資源となり得るのです。

問題を主体的に解決

 少子高齢化対策や地方創生が急務な日本では、各地で観光を結びつけた取り組みが盛んですが、一つ大事なことがあります。それは「自分たちは一体何者か」という問い直しと、自分たちの文化を見直し、再発見するプロセスです。そのためには、あらゆる角度からの分析が必要です。地域の文化の表現や演出方法を考えるなら社会理論や文化理論、人類学、民俗学、地理学の学びが助けてくれます。また旅の動機や満足度を分析するなら心理学が必要でしょう。国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」にのっとり、将来に向けて観光の力をどう使うかも考える必要があります。観光の本質を探るには、多角的な視点が必要なのです。

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この学問が向いているかも 観光学

京都外国語大学
国際貢献学部 グローバル観光学科 教授
原 一樹 先生

先生の著書
メッセージ

 観光ビジネスは、今後も伸びるでしょう。異業種とのつながりを利用して新たなイノベーションが起こせる分野です。例えば、バックパッカーと自治体とを結ぶビジネスを興した人がいます。旅慣れたバックパッカーは、旅行者の視点で市町村の魅力を発見し、自治体は町おこしのヒントにします。組み合わせやアイデア次第で、思いがけないビジネスが生まれる可能性もあります。
 ここで必要不可欠なのはコミュニケーション力です。起業やアイデアを実現する仕事に興味があるなら、観光を手がかりに一緒に学んでいきましょう。

先生の学問へのきっかけ

 大学から大学院にかけて哲学を学びました。その後大学の教員になりましたが、その大学が観光について学ぶ学部を設立することになり、私もそこで教えることとなります。
 日本は観光立国として、これからさらに発展していかなければなりません。旅行会社やツアーガイドなどの実務職で働くという視点だけで観光を語るのでは不十分です。観光客に対し、その土地の文化や伝統などの見せ方や表現方法を工夫する必要があります。社会理論や心理学などあらゆる学術を総動員し、現象の本質を考える点で、哲学と観光学には通ずるところがあります。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

旅行会社企画担当/航空会社地上職/外資系ホテルスタッフ/地方自治体観光協会職員

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原 一樹 先生がいらっしゃる
京都外国語大学に関心を持ったら

 京都外国語大学は2018年4月に「国際貢献学部」を開設。専攻語を徹底的に学ぶ「外国語学部」とともに、学部・学科の枠を越えた学びで、確かな語学力と豊かな教養を身に付ける、本物の学びを提供します。国際貢献学部では、国内外のコミュニティ(地域社会)に出向き、問題解決に取り組む「コミュニティエンゲージメント」を実施。外国語学部では、複数の言語に対する理解を深めるマルチリンガル教育、ネイティブ教員による少人数制の授業を実施。異文化理解力を養い、世界の諸問題を解決に導くチェンジメーカーを養成します。

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