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講義No.09803

会計の歴史を学ぶ意味

取引を二つの面でとらえる複式簿記

 ビジネス社会でお金の取引を記録したり報告したりする方法で、今日最も普及しているものの一つが「複式簿記」です。この複式簿記の特徴として、取引を二つの面でとらえるということがあげられます。
 例えば、商品を現金で購入した場合、「商品が増えた」と「現金が減った」という二つの面でとらえます。借金の場合は、「現金が増えた」と「借金が増えた」の二つになります。複式簿記の定義には諸説があるものの、一つの取引を二面的にとらえる点に相違はありません。

シンプルでわかりやすい複式簿記は急速に普及

 さまざまな取引をすべて二つの面から記録をする複式簿記は、中世のイタリアで13~14世紀から始まりました。原理がシンプルでわかりやすいので、急速に普及し、ヨーロッパ全体、さらにアメリカ、日本へと伝わりました。企業の規模が小さいうちは、取引内容もお金の貸し借りなどに留まっていました。その後、事業規模が大きくなり、取引が多様化すると記録の種類も増えていき、利益や損失といった業績を示す項目、さらには、資本金などの項目も出現して、企業の経営成績や財政状態を明確化できるようになりました。記録も一時的でなく、継続して行われるようになったのです。

今、なぜ会計史を学ぶのか

 日本では、明治の近代化の過程で複式簿記が導入されました。それまでは、複式簿記とは原理が異なる、日本固有の簿記―しばしば「和式帳合」といわれるもの―で事足りていましたが、世界のルールに合わせるために明治期に複式簿記に変えていったのです。実は、この変化は現在と似ています。今、各国は、経済のグローバル化の中で、自国会計を国際会計基準に合わせようとしています。同じ複式簿記であっても、細部では各国で独自のルールがあるため、これを国際会計基準に合わせるのは簡単ではありません。そこで、重要になってくるのが、過去にどのような経緯をたどって、今の会計のルールがあるかを立ち返ることです。会計史の学びがまさに今、求められているのです。

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この学問が向いているかも 会計学、会計史

和歌山大学
経済学部 経済学科 准教授
三光寺 由実子 先生

メッセージ

 めまぐるしく変化するビジネス社会では、スマートフォンなどの普及によって、10年前は考えられなかった取引が今では当たり前に行われています。あなたは、こういった取引がどのように記録されているか知っていますか? その取引の記録の方法というのは、実は中世のヨーロッパから根本原理は変わっていないのです。
 私は、このような会計の歴史を専門に研究しています。興味があるなら、この時空を超えた会計の世界を、ぜひ一緒に勉強していきましょう。

先生の学問へのきっかけ

 私は、高校時代には宝塚音学校への入学をめざしていましたが、不合格になると、大学進学に切り替え、商学部に進みました。そして、いろいろな授業を受けて面白そうな分野を模索する中、簿記に興味を持ちます。簿記はビジネスの言語とも言われています。当時、知識がなかった私でも理解できて、新聞やニュースを見るとその知識が使われていることから、「これは生きた学問だ」と思いました。そこから、会計学、さらに会計の歴史にも関心を広げていったのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

税理士/銀行員/国税専門官/高等学校教員(商業科)など

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三光寺 由実子 先生がいらっしゃる
和歌山大学に関心を持ったら

 7月24日(水)にインテックス大阪で開催される大学研究&学問発見のための国公私立大 合同進学ガイダンス「夢ナビライブ2019大阪会場」で、三光寺由実子先生が【会計史―お金の記録の歴史から見えるもの―】というタイトルの講義ライブを12:40から実施!全部で266名の大学教授が講義ライブを実施するほか、本学を含む183大学が個別ガイダンスを実施します。詳しくは
 https://yumenavi.osaka(パソコン、スマホ、ケータイ共通)をご覧ください。

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