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講義No.09801

都市のエネルギーに着目し、その源泉を探る「都市社会学」

社会学の手法で「都市」にフォーカス

 社会学とは、人間の行動の「社会的要因」を探る学問です。私たちが自分の意思で行動していると思っていることでも、実はかなりの程度、「社会的要因」によって規定されています。目覚めの1杯にオレンジジュースを選ぶか、ウーロン茶を選ぶかについても、その時の社会的要因、例えば「健康志向」とか「季節感」などのトレンドに規定されていることは少なくありません。自分の意思に基づくとばかり思っていた行動を、社会学によって客観的にとらえることができれば、その行動をよりよく変えることもできます。これと同じ考え方で、「都市」を研究するのが「都市社会学」です。

「古着の聖地」を探る

 例えば、かつて東京の高円寺という街には数百軒の古着屋さんがあり、「古着の聖地」として有名になりました。今でも古着店は多いのですが、ほとんどが個人経営の小さな店です。なぜ、この地に小さな古着屋さんが集まったのでしょうか? 各店には固有の理由もありますが、社会学の手法で調査・研究を進めると、個人の事情を超えた「社会的要因」が浮かび上がってきます。具体的には、都心に近く利便性が高いこと、その割に地価が比較的安く安定していること、ライブハウスがあり音楽愛好家でにぎわっていたことなどが挙げられます。さらに大きな視点で見れば、東西の冷戦が終結したことで、「古着市場」が世界的に流動化し、活性化した影響もあることがわかってきました。

都市のエネルギーは共有財産

 さまざまな「社会的要因」が相互に影響しあって生まれた「古着の聖地」ですが、これは「都市」という空間があったからこそ生まれたこともわかってきます。「都市」とは、さまざまな人やモノ、情報が凝集したエネルギッシュな空間であり、個性豊かな小規模店もそのエネルギーに導かれて集まったといえるでしょう。
 そのエネルギー自体がそこに住むすべての人の共有財産でもあります。そうとらえると、そのエネルギーを人類のために活用する方法が見えてくるでしょう。

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この学問が向いているかも 都市社会学

玉川大学
リベラルアーツ学部 リベラルアーツ学科 准教授
下村 恭広 先生

メッセージ

 高校生のときに見える景色はそれほど広くはありません。ですから、物事を見る際、「損得」だけで考えないでください。例えば、進学先を考えるとき、就職率のよい学部を選ぶとか、収入が多くなりそうな道を選ぶとか、そういった「損得」ではなく、自分にとって「面白いか、そうでないか」という視点で、もっと貪欲に、もっと贅沢に探し求めてください。
 大学とは、損得抜きで、面白いと思ったことを追究できる場です。そこでの出会いが、想像もしていなかった方向に、人生を導いてくれることも少なくないのです。

先生の学問へのきっかけ

 高校生の頃から、都市空間が持つエネルギーと、その中で生きる人間との相互作用に興味を抱いていました。その源泉には、小学5年生から中学1年生までの3年間を、タイのバンコクで過ごした経験があります。バンコクという都市の空気感が、日本とは大きく違うことに驚くとともに、その背景には人々の文化や宗教の違いがあることを感じたのです。民族の違いが、空間との接触の違いを生み出すことに関心を深め、自らの研究ジャンルとして社会学を選びます。そして「都市と人間」をテーマに掲げ、都市社会学というジャンルを探究しています。

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下村 恭広 先生がいらっしゃる
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 ― 「教員養成の玉川」と呼ばれる伝統と実績 ―
 玉川大学では、3人に1人の学生が教員免許状取得をめざして学んでいます。現在、玉川出身の教員・保育士数は全国6,000名以上、中でも小学校教員採用率は全国平均27.4%のところ62.5%の実績を誇る教育の伝統校です。
 各学科に魅力的な教員がいるのはもちろんですが、充実した施設・設備や、教員採用試験合格までトコトン面倒を見るサポート体制が整っていることも「教員養成の玉川」と言われる理由です。

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