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講義No.09790

「道路」は、しなやかに進化していく

変わる公共事業の評価

 公共事業で幹線道路を造る場合、そのルート計画から完成までには長い時間を要します。公共事業ではまず、「プロジェクト評価」が行われます。公共事業は複雑な要素が絡み合っており、その効果をどう評価するのかが重要だからです。道路ができれば移動時間が短縮され、渋滞や交通事故が減り、燃費も改善されます。ほかに、防災面や地域への長期的な経済効果、環境への影響なども評価対象です。
 公共事業には、公平な視点からの客観的評価が必要です。2000年代は公共事業に対する逆風の中で、事業の効果を目に見える貨幣換算で表しましたが、現在は必ずしも貨幣換算ができない要素も拾い上げます。

巨大災害から命を守った道路

 日本は、人口減少と少子高齢化、企業の海外移転などの背景があり、2011年の東日本大震災までは、交通量が少ない田舎の道路造りは費用対効果が小さい、つまり優先順位が低いという考え方でした。ところが、震災後、ある道路が注目されます。岩手県の三陸沿岸にある釜石山田道路という、供用直前だった幹線道路です。費用対効果の評価は小さかったのですが、津波の被害をカバーする役割を果たしただけでなく、避難するための「命の道」として使われたことで、道路への評価の視点を問い直すきっかけとなったのです。

強靱でしなやかな道路を造る

 これからの日本の道路造りには、防災という非日常の視点が欠かせません。また、非日常の要素といえば幹線道路の近くで開催されるイベントなども同様で、通行量の受け皿が小さいと渋滞し、実質的に道路が機能しなくなります。減災や縮災ができる、しなやかで強靱な道路を造っていくためには、しっかりした都市間ネットワークの構築が必要です。その社会的な合意形成を得るための、ていねいなプロジェクト説明も不可欠です。
 そういう意味で地方の道路整備はまだ途上にありますが、近年ではこうしたプロジェクト評価での議論が、政策にもフィードバックされています。

命を守る道路や橋の建設は高いお買い物?

夢ナビライブ2019 大阪会場

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過去と現在の人口分布の比較

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公共事業のコスパは?

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危険なところに住まなければよい?

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講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 土木計画学、都市防災計画学

高知大学
理工学部 地球環境防災学科 講師
坂本 淳 先生

メッセージ

 近い将来、高知県では南海トラフ地震の発生にともなう甚大な被害が懸念されています。これに対し、四国地方では「8の字ネットワーク」といわれる高速道路ネットワークの整備が、高知県では沿岸部への津波の侵入を抑制する3重防護の防潮堤整備が鋭意進められています。
 私たち地球環境防災学科の教員は、防災・減災に資する学問を研究しています。防災・減災に興味があって、インフラ整備を通じて社会に貢献したいなら、ぜひ高知大学で一緒に学びましょう。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

建設コンサルタント・技術者/鉄道・道路インフラ会社・技術者/国家公務員・土木職/地方公務員・土木職

研究室
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坂本 淳 先生がいらっしゃる
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 高知大学は、四国山地から南海トラフに至るまでの地球環境を眼下に収め「地域から世界へ、世界から地域へ」を標語に、現場主義の精神に立脚し、地域との協働を基盤とした、人と環境が調和のとれた安全・安心で持続可能な社会の構築を志向する総合大学として教育研究活動を展開しています。
 教養教育、専門教育、正課外教育やインターンシップを通じ「表現力」「プレゼンテーション能力」「コミュニケーション能力」「異文化理解能力」「情報活用能力」の5つの能力で社会の力になる21世紀の知識創造社会で活躍できる人材を輩出します。

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