夢ナビ夢ナビは、さまざまな言葉をデータベースから検索・閲覧し、将来の進路を決める“きっかけ”を提供します。

講義No.09786

自然災害の多い日本に必要なのは防災・減災を支える「人間力」

LINEの「既読」は大震災で生まれた

 友だちや家族と手軽に連絡をとれるLINEの特徴の一つは、相手が自分のメッセージに目を通したことを知らせる「既読」のシステムです。このサービスは、実は2011年の東日本大震災をきっかけに誕生しました。震災時には大切な人と連絡が取れず、不安になった人が大勢いました。そこで直接連絡が取れなくても、相手がメッセージを読んだこと、つまり無事であることが確認できるこの機能が考案されたのです。自然災害の多い日本では、このような災害への備えは大きな課題です。

施設の整備だけでは防げない災害

 災害に備えるには、まずは建物の耐震化を進め、海や川に堤防をつくるなどの施設整備が重要です。しかし、設備は100年に1度起こる災害には対応できますが、東日本大震災のようなそれを上回る大災害には対応できません。なぜなら、それには莫大な費用がかかり、日常の社会生活を維持できなくなってしまうからです。そこで施設整備だけでなく、人間が自らを守り、互いに支え合う取り組みが大切になります。つまり、自分の身を自分で守る「自助」、地域の中で助け合う「互助」、その周りを支える行政による「公助」の3つが必要です。

アプリ・キャンプ・SNSで防災・減災を!

 自分で自分の身を守る自助が第一ですが、知識があっても実際の行動に移す人はまだまだ多くありません。それに対し例えば、いかに「災害に備えることができていないか」を確認するためのアプリ「減災教室」が開発され、改善行動につなげようとする取り組みが行われています。また、楽しい防災訓練として、家の庭やリビングにテントを張り、電気や上下水道を使わない生活を体験しておく「防災キャンプ」の実施を推奨する動きもあります。
 そして、いざという時に助け合うコミュニティづくりも大切ですが、それは地域的つながりに限らず、共通の趣味でつながったSNS上のコミュニティでも可能です。防災・減災を進めるには、施設整備と人間の力の両面が必要なのです。

参考資料
1:アプリ「減災教室」を用いて組織で減災に取り組みませんか?

アイコン

講義を視聴する(1分)

アイコン

講義を視聴する(1分 その2)

アイコン

講義を視聴する(1分 その3)

アイコン

講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 総合防災学、社会システム工学、土木工学

岐阜大学
工学部 社会基盤工学科 環境コース 教授
髙木 朗義 先生

先生の著書
メッセージ

 人は、「やりたい」というwantの部分、「やらなくてはいけない」というmustの部分、「できる」というcanの部分、この3つが合わさったところで仕事ができるのが幸せです。でも、canがほとんどない若い時は、wantが大きい方がいいでしょう。
 今の時代は興味が仕事になる可能性が高いですから、ぜひ興味があることを大切にしてください。自分がしたいことを見つけるには、いつもの友だちの輪から外に出て、社会の課題を実感してみることです。まずは家族や先生以外の10人の大人と話をすることから始めてみましょう。

先生の学問へのきっかけ

 中学時代は主要5教科よりも技術や美術が好きでした。ものづくりが好きだった一方で、社会や政治にも興味がありました。東海地方で1959年に発生した伊勢湾台風による大災害の話を家庭や学校でよく聞いていました。大学は土木工学分野に進学し、卒業後は設計関連会社に就職しましたが、働きながら学んだ大学院で「防災投資の経済的評価」を研究しました。大規模な災害が発生すると、施設整備や従来のやり方では人の命が守れないことを目の当たりし、何かほかの仕組みが必要なのではないかと考え、防災の現場に関わるようになりました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

官公庁防災・危機管理・都市計画・土木/建設コンサルタント施設計画・設計/ライフライン施設計画・設計

研究室
大学アイコン
髙木 朗義 先生がいらっしゃる
岐阜大学に関心を持ったら

 7月20日(土)にポートメッセなごやで開催される大学研究&学問発見のための国公私立大 合同進学ガイダンス「夢ナビライブ2019名古屋会場」で、髙木朗義先生が【アプリ減災教室による災害死者ゼロへの挑戦】というタイトルの講義ライブを16:00から実施!全部で206名の大学教授が講義ライブを実施するほか、本学を含む145大学が個別ガイダンスを実施します。詳しくは
 https://yumenavi.nagoya(パソコン、スマホ、ケータイ共通)をご覧ください。

TOPへもどる