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講義No.09780

交通渋滞を「セルオートマトン」によって、数学的に解析する!

波形が移動する現象とは?

 AさんとBさんが、一本の縄跳びの縄の両側の持ち手をそれぞれ持っているところをイメージしましょう。Aさんが腕を振り下ろして波形を作ると、それが縄を伝ってBさんの方へ向かっていきます。この現象は「ソリトン(孤立波)」と言われ、縄跳びの事例以外にも津波や竜巻、光ファイバーの波動などに見られる現象です。
 さらに、2つのソリトンをぶつけあっても、お互い壊れることなく独立して伝わっていくという現象があります。これまでのさまざまな研究によって、ソリトンには数学的な構造があることがわかり、非線形の微分方程式によってその謎が解明されてきました。

計算をシンプルにする橋渡し「超離散化」

 ただし、微分方程式だと、誤差に注意を払わなければならない場合があります。それをシンプルにしようと使われているのが「セルオートマトン」という計算モデルです。ただし、微分方程式からセルオートマトンに変換するには操作が必要となってきます。それが「超離散化」です。簡単に言うと、滑らかな曲線の波形のグラフを、折れ線グラフに置き換えて表すイメージです。超離散化により、微分方程式とセルオートマトンの橋渡しができるようになりました。その結果、ソリトンなどの現象を数学的に研究できるのです。

ミクロな視点から交通渋滞を解析する

 セルオートマトンは、交通渋滞を解析する際に役立つと言われています。微分方程式では、「このあたりに車がたくさんある」「このあたりは少ない」とマクロな視点でとらえます。その結果、大まかな解析になってしまうことが多いのです。一方で、セルオートマトンでは、ミクロの視点から車1台1台をとらえていきます。そうすると、「車があと○○台以上あると渋滞する」「○時間後には渋滞する」といった渋滞予測ができます。このように、セルオートマトンを使えば、渋滞をより厳密に解析することが可能となるのです。

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この学問が向いているかも 数学、物理学、情報工学、理工学

龍谷大学
先端理工学部 ※2020年4月開設予定(設置届出中)  教授
松木平 淳太 先生

メッセージ

 研究には基礎と応用があります。基礎研究の道は険しいと言われることが多いです。しかし、AI(人工知能)や量子コンピュータのように、地道な基礎研究が社会の発展につながることもあります。あなたも、そうした視点を持ちましょう。
 すぐに役に立つことばかりにフォーカスするのではなく、好きなことや、興味のあることを追求するのです。好きなことなら長続きします。長続きすれば、いつの日か社会に応用できるかもしれません。ぜひ、これからも興味を持ったことに向かって進んでいってください。

先生の学問へのきっかけ

 「不思議なことを、理論的に解明したい」という気持ちが、学問へのきっかけです。物心ついた頃から、「宇宙の果てはあるのだろうか?」「地球以外に生き物はいるのだろうか?」と、宇宙や自然に興味がありました。中学や高校で好きな科目も数学や理科、物理でした。授業を通して、自然現象を数式で表せたときの驚きは、今でも覚えています。また、技術への応用にも興味があったため、大学では物理工学科に進みました。そこで理学と工学を横断的に研究できた経験が、今の研究にも生かされています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

電機メーカー開発者/機械系メーカー開発者/IT系エンジニア/高校教員/中学校教員/銀行/証券会社

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松木平 淳太 先生がいらっしゃる
龍谷大学に関心を持ったら

 『進取と共生』〜世界に響きあう龍谷大学〜
 龍谷大学は、370年の伝統を超え、新たな一歩を踏み出しました。
 その歴史は、江戸時代初期の寛永16年(1639)、京都・西本願寺に、仏教の研究と人材養成のための「学寮」が設けられたことに始まります。
 そして、近世から近代、現代への日本の歴史の中で新しさを重ねて370余年。
 現在では京都・滋賀の3つのキャンパスに、9学部・31学科、専攻と短期大学部、大学院を擁する、全国屈指の総合大学として、発展を続けています。

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