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講義No.09757

廃棄物処理が生む問題を多面的に解決する!

地球温暖化の原因となるメタンを減らす

 地球温暖化の原因となる温室効果ガスとして二酸化炭素はよく知られていますが、それよりも二十数倍温室効果が高いといわれるのがメタンです。メタンは廃棄物埋立処分場からも発生します。廃棄物が微生物によって分解処理される際、酸素が必要な好気性微生物によって分解されるとメタンは発生しませんが、酸素が不要な嫌気性微生物によって分解されるとメタンが発生します。もちろん、酸素を強制的に供給すれば好気的な分解が進みますが、それでは電力が必要になります。そこで考えられたのが、埋立処分場の中に小さな穴の開いたパイプを通して水を抜くことで、内部を空気で満たす方法です。こうすると好気的な分解が進み、内部温度が上昇します。それによって空気が対流して、空気を送り込むのと同じ効果が得られるのです。

災害時の廃棄物処理を迅速化する

 廃棄物処理には、災害時にいかに対応するかという問題もあります。実は、廃棄物処理施設は必ずしも市町村ごとにあるわけではなく、複数の自治体で共用していることもあります。災害時には大量の土砂や流木などの廃棄物が持ち込まれ、家庭ごみも増加します。復興を早めるには、迅速な廃棄物処理が求められますが、自治体がそれに対応できる体制を整えているとは言えないのです。そこで、廃棄物処理という点でどういう計画を立てればよいのかを提案するのは大学など研究機関の役割です。

問題解決に必要な科学技術以外の視点

 ごみ処理に関しては通常時の対策も必要です。最近は一人住まいの高齢者が増え、特に、重いごみが出せないという問題が発生しています。これを支援するのは、自治体だけでは限界があります。そこで、地域住民による対応、あるいは、自治体と地域住民が協力して対応することが必要になります。そのためのプログラムを作るのも重要です。このように、廃棄物処理に関しては、科学技術だけでなく政策的な視点や地域社会づくりの視点からも、問題解決することが求められているのです。

参考資料
1:準好気性埋立

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この学問が向いているかも 社会デザイン工学

福岡大学
工学部 社会デザイン工学科 准教授
鈴木 慎也 先生

先生の著書
メッセージ

 私は学生時代、自分が選んだはずの専門分野に興味が持てずに、ひたすら部活動に明け暮れていました。それでも、3年半かけて苦労して学んだことを後輩に伝えるためにレポートにまとめたときに、私が書いたたった4ページの内容と専門分野の教科書の300ページの内容との違いに衝撃を受け、研究者の世界のとてつもない労力とエネルギーに感銘を受けました。それで、改めて勉強し直そうと決意しました。
 私たちの研究室では地球環境と高齢者にやさしく、災害に強いまちづくりをめざしています。興味があれば、ぜひ学びに来てください。

先生の学問へのきっかけ

 私は、愛知県と岐阜県の県境の山の中で育ち、自然環境の大切さが身にしみています。大学に進学する頃は、地球温暖化や酸性雨、オゾン層の破壊が注目され始めた時代で、私も環境に近い都市工学科に進学しました。ところが、研究室では水処理のテーマが中心だったため、もっと環境そのもののテーマを扱いたいと思いました。そこで出合ったのが、廃棄物処理の問題です。それからは、廃棄物の分別や、廃棄物処理場の運営といった研究課題に興味を持つようになりました。廃棄物の問題は、災害や地域社会づくりと関連したこれからの課題です。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

官公庁環境部局/建設コンサルタント環境部/建設会社環境部/プラントメーカー設計施工/産業廃棄物処理業施設管理

研究室
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鈴木 慎也 先生がいらっしゃる
福岡大学に関心を持ったら

 福岡大学は、9学部31学科、在学生2万人を有する総合大学です。多くの学生や教職員が行き交う広大なキャンパスは福岡市の南西部に位置し、都心部との交通の便もよく、活気に満ちあふれています。「ワンキャンパス」に全学部が集結しており、総合大学の魅力を生かし、学問・研究および課外活動などにおいて学部間の交流が盛んに行われ、文系・理系だけにとどまらない幅広く多様な視野と知識を得ることが可能な大学です。また、創立から80数年で輩出した卒業生総数は25万人を超え、あらゆる分野で力を発揮しています。

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