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講義No.09754

キャッシュレス時代の到来! 法律はどう対応する?

なぜ日本ではキャッシュレスが普及しないのか

 国はキャッシュレス取引を推進しています。現金を持つ必要がなく、おつりもなく、加えて取引の履歴が残るので大変便利です。しかし、日本ではほかの国に比べ、普及しているとは言えません。
 キャッシュレス決済には、主に、プリペイド方式とクレジットカードがあります。問題となるのは、借金が可能なクレジットカードです。使い過ぎないだろうか、分割払いで高い利息を払うことにならないだろうか、そんな不安を持つ人が多いことが、普及を阻む原因となっています。

クレジットカードは割賦販売から生まれた

 確かにクレジットカードにはよくないイメージがあります。与信・ローン機能もあるため、多重債務者を生む原因のひとつと考えられているのです。日本では、クレジットカードの前身は割賦(かっぷ)販売です。現金で払えない場合の分割払いからスタートしました。最初はその都度与信審査が行われていましたが、それは面倒だということで、クレジットカード方式になりました。これを規制する法律は、割賦販売法です。これは消費者を保護し悪質な業者を締め出し、適正な取引や契約を確保することが目的です。また、多重債務者問題のコストを誰が負担するべきかといった問題もあります。クレジットの手数料を制限する法律がないという問題もあります。

キャッシュレス時代への法的対応

 現在、クレジットカードの利用で多いのは、翌月払いです。これには、手数料はかかりません。支払いを少しの間遅らせているだけです。支払いを遅らせる仕組みはキャッシュレスや銀行振り込みなどにも使われます。
 新しいシステムが生まれると既存の法律ではとらえきれない領域が生まれます。消費者とは何かも実は難しい問題です。キャッシュレス時代になれば、ますます既存の法律では解決できない問題も生まれるでしょう。そこで法律の専門家は、法学だけでなく、経済学や心理学など幅広い視点に立って、新しい時代に対応した法律を考えていく必要があるのです。

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この学問が向いているかも 民事法学

福岡大学
法学部  教授
蓑輪 靖博 先生

メッセージ

 私の専門分野は、民法です。民法という法律は、難しいと思っている人もいるかもしれませんが、非常に単純にできていて、人と人との間のもめ事を解決するための基準を定めているものです。生きている間にさまざまな人と出会って、もしかしたらもめ事に出くわすかもしれませんが、そのもめ事を解決するのは民法という法律です。
 ですから、民法を学ぶのはとても意義のあることです。あなたもぜひ福岡大学に来て、一緒に民法を学んでみませんか。

先生の学問へのきっかけ

 大学で法学を学んでいた私は、従来の研究スタイルではもの足りませんでした。もっと現実的な生きた法律を考えたかったのです。そんな時に出合ったのが、クレジットカードでした。消費者とカード会社の間に取引でのトラブルが多発していました。民法の「契約自由の原則」からすれば、当人同士が自由に結んだ契約に法が入る余地はないのですが、現実に即した法律を作るべきと考え、クレジット研究所に参加する機会を得ました。社会のシステムが変わり、テクノロジーが進化して生じた新たな問題に、法律はどう対応すべきかを研究しています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

国家公務員/地方公務員/国税専門官/金融機関職員/銀行員/ファイナンシャル・プランナー/証券外務員/宅地建物取引士/流通販売業/弁護士/司法書士/行政書士

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蓑輪 靖博 先生がいらっしゃる
福岡大学に関心を持ったら

 10月19日(土)にマリンメッセ福岡で開催される大学研究&学問発見のための国公私立大 合同進学ガイダンス「夢ナビライブ2019福岡会場」で、蓑輪靖博先生が【キャッシュレス社会の法律問題】というタイトルの講義ライブを11:50から実施! 全部で145名の大学教授が講義ライブを実施するほか、本学を含む124大学が個別ガイダンスを実施します。詳しくは
 https://yumenavi.info/live/fukuoka/をご覧ください。

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