夢ナビ夢ナビは、さまざまな言葉をデータベースから検索・閲覧し、将来の進路を決める“きっかけ”を提供します。

講義No.09731

獣医学の環境保全への挑戦~人と動物と地球の健康はつながっている

変化する生活様式と飼育動物の種類と診療の現状

 近年、日本人の生活様式が変化し、「鳴かない、散歩の必要がない、毛・羽によるアレルギーの心配がない」などの理由で、ウサギ・ハムスターなどの小動物、鳥類やは虫類など犬猫以外のエキゾチック動物を飼う人が増えています。しかし、一方、これら動物の獣医学情報は乏しく、診療できる病院は少なく、欧米に比べ発展途上にあります。

医療の質を高め、選択肢を広げる

 最近では、家族と同等な伴侶動物としてこれら動物の医療に対する要望が高まり、発展が求められています。岩手県には、全国でも珍しいエキゾチック動物専門診療科が立ち上げられ、日々診療と研究が進められています。CTなどの先端機器を用いた診断や積極的な外科手術など高度医療に挑戦し、治療の選択肢の拡大や成績の向上をめざすものです。
 エキゾチック動物の診療が難しい理由に、サイズの小ささ、繊細さ、抵抗力の弱さや症例数の少なさなどが挙げられますが、麻酔を有効に活用すれば、命を助けられる可能性が大幅に向上します。恐怖や痛みを取り除き、循環呼吸抑制などの副作用が出ないように作用の異なる複数の薬剤を組み合わせて、各々の効果を最大限引き出すバランス麻酔が重要です。より安全で有効な技術の研究開発への取り組みが進んでいます。

動物の健康と幸せ=人の健康・幸せと地球の健全性

 飼い主にとってかけがえのない家族である動物の健康を守ることは、人の心の健康を守ることに直結します。悲しいことに、捨てたり逃がしたりしたペットが野生化して在来の野生動物を脅かしています。ペットとして密猟・密輸され、絶滅の危機に瀕している種もいます。増えすぎた野生動物とのトラブルも大きくなっています。動物・人・地球の健康は一つにつながっていますので、問題解決にはワンヘルス(人の健康を守るため、動物や地球環境にも目を配った取り組み)を守ることが重要です。今後、獣医学はますます必要となり、それを担う人材が求められているのです。

アイコン

講義を視聴する(1分)

アイコン

講義を視聴する(1分 その2)

アイコン

講義を視聴する(1分 その3)

アイコン

講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 獣医学、野生動物医学、保全医学

岩手大学
農学部 共同獣医学科 准教授
福井 大祐 先生

先生の著書
メッセージ

 獣医師と聞いて思い浮かぶのは、小動物病院の獣医師でしょうか? でも、獣医師は実に多様な分野で活躍しています。
 私は幼い頃から動物と自然が大好きで、動物の命に向き合い、地球環境の保全に関わりたくて獣医師になりましたが、結果として人の幸せにつながります。人の生活や安全を守りたいという視点でいえば、家畜衛生、食肉検査などの公衆衛生や製薬会社・研究施設などの仕事にも獣医師が必要です。獣医学は非常に幅広い学問分野ですが、動物や人が好きという素質が向いており、意欲的な勉強や成長にもつながると私は考えています。

先生の学問へのきっかけ

 幼い頃から動物が大好きで、非常に強い関心と愛情を動物に向けてきました。時間があれば虫捕りや魚釣りに出かけたり、動物図鑑を見たりする少年時代を送り、これまで犬、猫、小鳥、捕まえた昆虫や魚、トカゲなど多くの動物を飼ってきました。そして中学時代には、家族の犬が病気になったときに動物病院で救ってもらって感動し、獣医師になることを決めました。子どもながらに「動物の命を救いたい」と抱いた志は現在も変わっておらず、さらに絶滅危惧種の保全、生態系の維持や人と動物の共存といった大局的な部分にも目を向けています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

小動物臨床獣医師/動物園水族館獣医師/公務員獣医師(動物愛護管理センター)

大学アイコン
福井 大祐 先生がいらっしゃる
岩手大学に関心を持ったら

 岩手大学は、人文社会科学部、教育学部、理工学部、農学部の4学部からなり、文理バランスの取れた総合大学です。
 宮澤賢治も学んだ歴史と伝統、そして市街地ながら緑あふれるキャンパスは利便性も高く、落ち着いた学びの環境を形成しています。
 また、全学部がワンキャンパスにあるため他学部の学生との交流も盛んで、学生の研究や就職などにも大きな効果をもたらしています。
 大学HPでは、学部紹介やニュース、大学紹介Blog「岩大エキス」等で大学の魅力をお伝えしています。興味を持った方は是非ご覧になってみてください。

TOPへもどる